通算137試合に出場し、自己最多は21得点

　今からちょうど17年前の2001年4月6日（現地時間5日）。ダラス・マーベリックスに所属していた中国人プレーヤー、ワン・ジージー（元マブスほか）が、アトランタ・ホークス戦でNBAデビューを飾った。

　ジージーは213センチ115キロのセンターで、もともと1999年ドラフト2巡目全体36位でマブスに指名されていた。中国リーグ（CBA）で00－01シーズンまでプレーし、同シーズン終了後にマブスへ合流することとなった。

　マブスのホーム、リユニオン・アリーナで行われたホークスとの一戦。第1クォーター後半からリードを広げたマブスは、第2クォーター残り26.8秒に58－37と大量リードしたところで、ジージーがコートに立った。同クォーター残り2.6秒に初めてショットを放つも、ナジー・モハメド（元ホークスほか）にブロックされてしまう。

　この日はマブスが試合を優位に進めていたこともあり、第4クォーター残り7分40秒、91－71となった場面で、ジージーはエースのダーク・ノビツキーと交代し、再びコートに登場。すると残り6分6秒にハワード・アイズリー（元ユタ・ジャズほか）のアシストから初得点。残り5分35秒にはモハメドのファウルで得たフリースローを2本決め、残り5分2秒にはスティーブ・ナッシュ（元フェニックス・サンズほか）のアシストで加点。デビュー戦を6得点3リバウンドで終えた。

クリッパーズ在籍時。ナゲッツ戦ではキャリアハイの21得点を奪取[写真]=Getty Images

　その後4試合に出場したジージーは、5試合平均4.8得点1.4リバウンドをマーク。4月19日（同18日）のミネソタ・ティンバーウルブズ戦では17分に出場し、13得点を残している。

　ジージーがNBAでプレーしたのは計5シーズン。マブスでプレー後、02年10月にロサンゼルス・クリッパーズへ移籍。その後マイアミ・ヒートと契約し、05年までプレーした。キャリア通算137試合に出場し、平均9.2分4.4得点1.7リバウンドを記録。

　その中で、クリッパーズ在籍時の03年3月20日（同19日）のデンバー・ナゲッツ戦で、ジージーはベンチから25分に出場し、2本の3ポイントシュート成功を含むキャリアハイの21得点、6リバウンドを挙げ、クリッパーズの勝利に貢献した。

　ジージーがNBAデビューしてから約1年後。02年のドラフトで、中国出身の229センチという長身を誇るビッグマン、ヤオ・ミンが1巡目全体1位でヒューストン・ロケッツから指名され、NBA入りすることとなった。

　ヤオは通算486試合に出場し、キャリア平均32.5分19.0得点9.2リバウンド1.9ブロックをマーク。さらには8度のオールスター選出、16年にはバスケットボール殿堂入りも果たしているため、選手としての実績をジージーと比較するのはさすがに酷だろう。

　それでも、“中国人史上初のNBAプレーヤー”というすばらしい称号は、今後もずっと、ジージーであることに変わりはない。

中国人初のNBA選手ジージー（右）と、中国人史上最高の選手ヤオ（左）[写真]=Getty Images

　その後、07年にイー・ジャンリャン（元ニュージャージー・ネッツほか）がデビューするなど、複数の中国人NBA選手が生まれた。現在は216センチの動けるセンター、ジョウ・チーがロケッツでプレーしている。

田臥に続く日本人NBAプレーヤー誕生への期待

　ちなみに日本人初のNBAプレーヤーが誕生したのは、ジージーのデビューから約3年半後の04－05シーズン。フェニックス・サンズの開幕ロースターに残った田臥勇太（現 栃木ブレックス）は、04年11月4日（同3日）、ホームのアメリカ・ウエスト・アリーナで迎えた開幕戦に10分間出場し、7得点1アシストを挙げている。

サンズの一員として、NBAのコートに立った田臥[写真]=Getty Images

　偶然にも、対戦相手はジージーのデビュー戦と同じくホークスだった。そしてデビュー戦にジージーの得点をアシストしたナッシュは、04年オフにサンズへ移籍しており、田臥がNBAデビューした試合でも先発ポイントガードを務めていた。

　はたして、田臥に続く日本人NBAプレーヤーはいつ現れるのだろうか。今年ジョージワシントン大を卒業した渡邊雄太なのか。あるいは、ゴンザガ大で2年目のキャリアを終えた八村塁になるのか。それとも、今後すい星のごとく現れるかもしれない新星が、飛ぶ鳥を落とす勢いでその座をつかみ取るのか。

　いずれにせよ、その時が刻一刻と迫っていると期待したい。

ジョージワシントン大を卒業した渡邊。今後の動向から目が離せない[写真]=Getty Images