2019.02.04

カードマスターへの道【第2回】NBAカードの種類

トレーディングカードには色々な種類がある。一度カードショップを訪れてみるのもいいだろう [写真協力]=株式会社MINT
ライター/イラストレーター

 カードショップのショーケースには過去から現在までのあらゆるレアカードが飾られている。その光景はまるでカードの美術館のようだ。

 キレイなカードたちをただ眺めているだけでも十分楽しいのだが、そこにちょっとした知識があればそれらがどういったカードなのかを理解して見ることができる。今回はトレーディングカードにおける基礎知識として「メーカー」と「ブランド」の説明、そしてカードの種類にはどんなものがあるのかを紹介していきたい。

【メーカー】

 カードを製造・発行する会社のこと。NBAカードにおいては、過去にFleer(フリアー)、Topps(トップス)、Upper Deck(アッパーデック)といった複数の会社がカードを発行していたが現在はPanini(パニーニ)1社のみの発行となっている。

【ブランド】

 カードメーカーが製造・発行するカードの品名(製品名)。例えばPaniniの製品だと、クロム加工されたカードがキラキラ光る『Prizm』や王冠のデザインをベースにした『Crown Royale』のように、各々のデザインコンセプトに沿ったブランド名がつけられている。

2018-19シーズンのPANINI社のカード。写真左から『Prizm』『Crown Royale』 [写真協力]=株式会社ミント


 またカードはその品質や製造コストによって「普及版」「高級版」「最高級版」「超高級版」といったカテゴリーに分けられる。車に大衆車や高級車があるように、カードもデザインの好みや予算に応じて自分にピッタリのブランドを探すことができる。

【レギュラーカード】

 ブランドの基本となるカード。いわゆる「普通のカード」である。選手の情報や個人成績等が記載されていて、これを揃えてコンプリートセットを作るのがトレーディングカード本来の目的となる。

いわゆる基本のカードである『レギュラーカード』 [写真協力]=株式会社ミント

【ルーキーカード】

 ルーキー(新人選手)のカード。もしくは、その選手が最初にNBAカードに収録された年度のカード。何年かNBAでプレイしていたもののその間カード化されなかった選手に関しては、初めてカード化された年度がその選手におけるルーキーカードイヤーとなる。ルーキーカードとして扱われるのは基本的にレギュラーカードのみとなり、カードの中では(特別にプレミアをつけたカードを除いて)一番価値のあるものとされている。

左からルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)とヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)のルーキーカード [写真協力]=株式会社ミント

【インサートカード】

 特定の出現確率が設定されたカード。いわゆる「当たりカード」。「1:20packs(20パックにつき1枚の確率で出現)」のように表記される。

いわゆる「当たりカード」にあたるインサートカード [写真協力]=株式会社ミント

【パラレルカード】

 レギュラーやインサートのバージョン違いのカード。カード枠の色が違ったり、光り方が違ったりと、同じカードでありながら加工を工夫することによって別バージョンのカードに仕立てている。

同じカードでありながら別バージョンのカードに仕立てられたパラレルカード [写真協力]=株式会社ミント

【シリアルナンバー入りカード/枚数限定カード】

 発行枚数が限定されたカード。「****/1000(限定1000枚中****番目のカード)」のようにカードの表面か裏面に限定数が刻印されることが多い。また『マスターピース』と呼ばれる世界で1枚しかないカードも存在する。

発行枚数の数字が小さくなればレア度がアップする [写真協力]=株式会社ミント

【メモラビリアカード】

 選手が実際に使用した物を挟み込んだり、貼り付けたりしているカード。メモラビリアとは「記念品」を表す英語でスポーツコレクションの対象となるようなグッズ(ジャージー、ボール、シューズ)を指すことが多い。通常、ジャージーが挟み込まれている物は「ジャージーカード」、ボールが挟み込まれているカードは「ボールカード」と呼ばれ、「メモラビリアカード」とはそれらを総称した呼び名である。

ジャージーやボールの一部がカードに貼り付けられている [写真協力[=株式会社ミント

【オートグラフカード】

 直筆サインカードのこと。略称は「オート(Auto)」。

選手のサインがカードに書き込まれている [写真協力]=株式会社ミント

【リデンプションカード】

 特定のカードとの交換券。発売時期までに印刷が間に合わなかったり、選手にサインが貰えなかったカードに関しては、これを封入し本来当たるはずだったカードとの交換券とすることで対処している。交換のやり方は、カード裏面にあるスクラッチを削りそこに書いてある文字列をメーカーのHPに登録。するとカードが用意でき次第、登録した住所にカードが郵送されてくる。

「オート」などのレアなカードが出来上がる前の交換券 [写真協力]=株式会社ミント


 世の中には様々なカードが存在するが、どんなカードでも上に挙げたいずれかのカードの種類に必ず当てはまる。このことを頭に入れておくと、カードショップでカードを眺める時、あるいはSNS等でカード画像が流れてきた時に「このカードはどんな種類のカードなのだろう?」と想像し、理解することができるはずだ。

 歴史上の名画を楽しむように、新旧の様々なNBAカードに触れそのカードを読み解くことができれば、それはカード収集だけではなくNBAそのものをより深く楽しむ要素のひとつになるだろう。

文=soma

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