2019.02.15

オールスター出場選手紹介24/ステフィン・カリー(ウォリアーズ)

3ポイント成功数で歴代3位を誇るカリー[写真]=Getty Images
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2月18日(現地時間17日)に迫った「NBAオールスターゲーム2019」。今年もイースタン・カンファレンスとウエスタン・カンファレンスによるゲームではなく、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)がキャプテンを務める「TEAMヤニス」と、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)がキャプテンを務める「TEAMレブロン」というオリジナルチームの対決という形で行われる。そこでバスケットボールキングでは、今年のオールスター出場選手を紹介していく。

■オールスター出場選手24 TEAMヤニス
ステフィン・カリーゴールデンステイト・ウォリアーズ

ガード/190センチ/86キロ/キャリア10年目
Twitterアカウント:@StephenCurry30
Instagramアカウント:@stephencurry30

NBAにおける主な記録・功績>
優勝(ゴールデンステイト・ウォリアーズ):3回(2015,17,18)
シーズンMVP:2回(2015,16)
オールNBAファーストチーム選出:2回(2015,16)
オールNBAセカンドチーム選出:2回(2014,17)
オールNBAサードチーム選出:1回(2018)
オールスター選出:6回(2014~19)
得点王:1回(2016)
スティール王:1回(2016)
フリースロー成功率トップ:4回(2011,15,16,18)

<2018-19シーズン 個人成績>
平均34.3分28.6得点5.1リバウンド5.2アシスト1.2スティール
※2月14日(現地時間13日)終了時点

史上最強の3Pシューターが見据えるのは「多次元の選手」

 昨年9月に2度目の来日を果たしたカリーは、心身ともに充実したコンディションでキャリア10シーズン目を迎えた。

 開幕から自身最大の武器である3ポイントを面白いように成功させ、7試合連続5本以上成功というNBA新記録を樹立。のちにジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)が12試合連続で5本以上を成功させてカリーの記録を塗り替えたものの、今季もカリーのインパクトは健在。

 開幕5戦目となった10月25日(同24日)のワシントン・ウィザーズ戦。カリーは第1クォーターから23得点を荒稼ぎする爆発ぶりで、終わってみれば今季最多の51得点。3ポイントを16投中11本も沈めるパフォーマンスで、ホームのオラクル・アリーナに大歓声をもたらした。

キャリア10年目の今季は序盤からエンジン全開で大暴れを見せた[写真]=Getty Images

 11月上旬に鼠径部を痛めて11試合を欠場したものの、12月2日(同1日)の復帰戦(対デトロイト・ピストンズ)で27得点をマークし、再び調子を上げていく。

 12月18日(同17日)のメンフィス・グリズリーズ戦。カリーは第2クォーター途中に通算1万5,000得点に到達。「きわめて最高の瞬間だったね。およそ9シーズン半のキャリアで達成できたから。僕はこの機会を得ることができて本当に感謝している。こういった記録がこれから先も達成できるといいね」と振り返ったカリーは、ウォリアーズのフランチャイズ史上5人目の快挙を成し遂げた。

 カリーは1月12日(同11日)のシカゴ・ブルズ戦で5本の3ポイントを成功させたことで、通算3ポイント成功数で歴代3位に浮上。レイ・アレン(元ボストン・セルティックスほか)、レジー・ミラー(元インディアナ・ペイサーズ)というバスケットボール殿堂入りした偉大なシューターたちに次ぐ位置まで上りつめている。

 今季ここまでで、カリーの実力を最も端的に表している記録がある。それは1月中旬にNBA史上初となる3試合連続8本以上の3ポイントを決めたシーンだろう。カリーは14日(同13日)のダラス・マーベリックス戦で11本(計48得点)、16日(同15日)のデンバー・ナゲッツ戦で8本(計31得点)、17日(同16日)のニューオーリンズ・ペリカンズ戦で9本(計41得点)を成功。この期間は3ポイントを49投中28本も決めており、57.1パーセントという驚異的な成功率を残した。

 1月29日(同28日)のインディアナ・ペイサーズ戦で、8投中6本の3ポイントを決めたことで、カリーは今季39試合目にして3ポイント成功数が203本に到達。最初の40試合以内で200本以上の3ポイントを決めた史上初の選手となり、7シーズン連続200本以上成功というNBA最長記録も更新。

 3ポイントだけでなく、フリースローでもリーグトップレベルの正確さを誇るカリーは、今季92.2パーセントを誇っており、通算成功率90.48パーセントはスティーブ・ナッシュ(元フェニックス・サンズほか/90.43パーセント)を僅差で上回り、歴代1位となっている。

 これまで、NBAで長いキャリアを送るのはビッグマンばかりだったが、近年ではガードの選手も40歳を超えても現役でプレーしている。ビンス・カーター(アトランタ・ホークス)は42歳を迎えた現在もプレーしており、昨季ミルウォーキー・バックスでプレーしていたジェイソン・テリー(現未所属)は41歳、ジェイソン・キッド(元マブスほか)も40歳までプレーしていた。

 彼らにはリーダーシップやメンター(助言者)といった側面こそあったものの、シュート力がなければここまで長くプレーすることはなかった。そう考えると、カリーは選手生命を脅かすケガさえなければ、40歳になってもNBAで活躍することは十分可能だろう。

相手チームに脅威を与え続けるカリー。他を圧倒するクイックリリースも特徴の1つだ[写真]=Getty Images

 2月14日(同13日)終了時点で、カリーは4試合で10本以上の3ポイントを決めており、リーグ史上最高の3ポイントシューターという異名が完全に定着したと言っていい。

 「僕はこれまで、オフェンス面の向上にほとんどの時間を費やしてきた。でもディフェンス面でもやっていかなきゃならない」と2月13日(同12日)に『The Ringer』へ掲載された記事の中でカリーが言及。

 シュート力に加え、ディフェンスでも年々向上しているカリーは、同メディアへ自身のプレーについてこのように語っていた。

 「僕はいつだって多次元の選手、多方面で活躍できる選手になることができるように努めてきた。それは得点やアシストかということじゃない。(ガードとして)正しいプレーを作り出すことが大切なんだ」。

 プレーの幅を広げ、より多様なスタイルをゲームに持ち込むカリー。持ち前の華やかなプレーだけでなく、リング下におけるフィニッシュや左手から繰り出すパスなど今季も成長を続けている。これから先も、NBA屈指のエンターテイナーが繰り出す超絶パフォーマンスの数々を見逃してはならない。

<オールスターモーメント>
過去5度の球宴で平均17.0得点を残すも、大爆発はなし

 過去5度の出場で平均17.0得点5.4リバウンド6.6アシストという成績は、決して悪いものではないのだが、レギュラーシーズンやプレーオフで見せるパフォーマンスには程遠い、というのが現状だ。

 16、17年は2年続けて3ポイントを5本以上、成功率45.5パーセント以上を決めて21得点以上を稼いだものの、カリーはこれまでのオールスターゲームにおいて、チームのトップスコアラーになったこともない。

 とはいえ、カリーはチーム全体のバランスを見て、自身も楽しみながらプレーを満喫しているため、決して個人賞を獲得すべく、ショットを乱発するような選手ではない。今年も「TEAMヤニス」の一員として、アデトクンボやラッセル・ウェストブルック(サンダー)といった選手とのプレーを楽しむだろう。

故郷シャーロットで行われる今年のオールスターでは、弟セスと共に3ポイントコンテストにも出場することとなる[写真]=Getty Images

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