2019.03.04

5勝6敗で2月を終えたセルティックス、オーナーが「これまでで最悪だった」と明かす

開幕前の下馬評とは裏腹に、勝ち星を稼げずにいるセルティックス[写真]=Getty Images
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「ファイナルへ行けるかもしれないが、1回戦で敗退する可能性もある」と危惧

 開幕前にイースタン・カンファレンス優勝の最有力候補と称されたボストン・セルティックスだったが、3月3日(現地時間2日)を終えてイースト5位の38勝25敗。2月は5勝6敗で負け越すという屈辱的な結果に。

 3日(同2日)に行われた『The MIT Sloan Sports Analytics Conference』に登場したセルティックスのオーナー、ウィク・グロウズベックは、2002年にオーナー職を引き継いでから「最悪な2月だった」と言及。

 4連敗で2月を終えたセルティックスは、ガードのマーカス・スマートが「俺たちは一丸となってプレーできていない」ともらし、エースのカイリー・アービングは若手選手たちに成熟すること、そして彼らそれぞれの役割をもっと理解するべきと語るなど、チームケミストリーの面でも疑問視されている。

 グロウズベックは今季のチームについて「ファイナルへと勝ち進む能力がある」と地元メディア『Boston.com』へコメントしたものの、同時にこんな不安もあることを明かしていた。

 「このチームは(プレーオフの)ファーストラウンドで敗退してしまう可能性もある。我々はイーストのチームに対して非常に優れたロースターを擁しているんだが、先月については有力チームがこのチームを打ち砕いていた」。

 セルティックスは2月に行われた11試合の中で、現在イースト4位のフィラデルフィア・セブンティシクサーズと6位タイのデトロイト・ピストンズに勝利したものの、トップのミルウォーキー・バックス、2位のトロント・ラプターズから勝利を奪えず。

 強さともろさという2つの要素を備える今季のセルティックスは、まさに諸刃の剣。それでも、グロウズベックは今季のチームに失望したわけではない。

 「私はこのチームの選手たちに対して、数多くの希望を持っている。プレーオフという舞台で、我々と対戦したがるチームがあるとは思わない。これまで16シーズンを見てきた中で、私は本当にそう思っている。彼らにはまだチャンスがあるんだ」とグロウズベックは言う。

チームの強みだったケミストリーにも破綻が見られる今季のセルティックス[写真]=Getty Images

イースト上位チームが戦力増強も、王者を率いる指揮官はセルティックスを警戒

 2月以降、バックスはニコラ・ミロティッチとパウ・ガソル、ラプターズはマルク・ガソルとジェレミー・リンを加え、シクサーズはトバイアス・ハリスという新たなスコアラーを獲得するなど、イーストの上位チームはそれぞれ戦力増強に成功。

 とはいえ、現時点でプレーオフを勝ち抜いてNBAファイナルへと進出することができるチームが決まるわけではない。

 1月27日(同26日)にセルティックスと対決し、115-111で下したゴールデンステイト・ウォリアーズのスティーブ・カーHCは、勝利後に『ESPN』へこんな言葉を残していた。

 「セルティックスはリーグのなかでもベストチームの1つ。ディフェンスもすばらしいし、オフェンス面でもダイナミックな選手が複数いる。レブロン(・ジェームズ/ロサンゼルス・レイカーズ)がいない今季、イーストではどのチームが勝ち上がってくるのかを見るのは面白いだろうね。我々もウエストを制するためにまだまだ数多くのことをやらなければならないけどね。すばらしいチームがたくさんあるから、これまでの長い歴史の中でも今季は特に面白いと思うよ」。

セルティックスを高く評価するカーHC[写真]=Getty Images

 ウエストではやはり3連覇を目指すウォリアーズが大本命というのが現状だろう。そしてイーストについて、カーHCは「いいチームがたくさんあるね。だがボストンは(オフェンスとディフェンスの両面において優れた)2ウェイチームなのは明らか。プレーオフでもその力を持ち込むはず」とセルティックスを高評価。

 はたして、セルティックスは今後、調子を上げてイースト上位へと割り込むことができるのだろうか。今後の戦いぶりに期待したいところだ。