2019.04.07

「トニー・クーコッチは間違いなく殿堂入りに値する」とブルズ時代の戦友ピペンが言及

ピペン(左)がクーコッチ(右)、ハーパー(中央)の殿堂入りについてコメントした[写真]=Getty Images
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1990年代後期のブルズ3連覇において、攻撃面で3番手を務め上げたクーコッチ

 4月7日(現地時間6日)、今年のバスケットボール殿堂入りメンバーが発表され、インターナショナル選手委員会はブラデ・ディバッツ(元サクラメント・キングスほか)をセレクトした。

 2001年にオールスター入りしたディバッツは、キャリア16シーズンで平均29.8分11.8得点8.2リバウンド3.1アシスト1.1スティール1.4ブロックをマーク。216センチのビッグマンながら広い視野を持ち、抜群のパスセンスを持っていたディバッツは、得点やリバウンドだけでなく的確なパスの数々でチームメートたちの得点機会を演出。オフェンスではポストプレーやドライブ、ミドルレンジジャンパーに加えて3ポイントまでこなす万能性を持ち、技巧派として長期間に渡って活躍してきた。

 そんな中、2010年に殿堂入りを果たしたスコッティ・ピペン(元シカゴ・ブルズほか)が、ブルズ在籍時のチームメート、トニー・クーコッチ(元ブルズほか)の殿堂入りについて言及していたので紹介したい。

 7日(同6日)に現地メディア『The Chicago Tribune』へ掲載された記事の中で、ピペンは「私は間違いなく彼が殿堂入りに値すると思ってる」と口にすると、その理由をこのように続けた。

「彼は我々ブルズにとって、重要な部分を占めていた。今のNBAでは、複数のチームがビッグ3を擁している。トニーは我々にとって(ビッグ3を占める)パズルの一部だったんだ。彼はとても生産的だったし、ブルズの成功において多くの信頼を得ていた」。

抜群のシュート力に加え、パサーとしても活躍したクーコッチ[写真]=Getty Images

 クロアチア出身のクーコッチは、1990年のドラフト2巡目全体29位でブルズに指名され、93-94シーズンからNBAデビュー。一時はピペンとの不仲がウワサされたものの、211センチのサイズからは想像もできないほど滑らかな動きで得点やリバウンド、アシストを量産。ディフェンスこそ難はあったものの、オフェンス面では頼れる存在だったと言っていい。

 95年3月中旬にマイケル・ジョーダン(元ブルズほか)が1度目の現役復帰を果たし、同年秋にデニス・ロドマン(元デトロイト・ピストンズほか)を獲得すると、クーコッチはシックスマンへと転向。当時NBA最多勝記録となった72勝10敗を挙げた95-96シーズン、クーコッチは平均13.1得点4.0リバウンド3.5アシストをマークして最優秀シックスマン賞に輝いた。

 ブルズのオフェンスにおいて、クーコッチはジョーダン、ピペンという歴史に名を残すほどのスーパースターに次ぐ3番手ではあったものの、両者が不調な試合や勝負どころで活躍。多彩なオフェンス力を駆使して主に得点面で大きく貢献してきたのである。

優勝チームの主力として不可欠だった2人の戦友を「勝者だ」と絶賛するピペン

 そこでピペンは、クーコッチとディフェンス面で活躍したロン・ハーパー(元ブルズほか)について自身の見解をこう述べている。

「僕は殿堂入りする選手たちを見てきたけど、個人的にはちょっとショックだった。(殿堂入りした)一部の選手たちよりも、トニーとロンの方が明らかに彼らよりいいキャリアを送ってきたからさ。確かに、彼らは僕とマイケルが率いたチームの一員だった。でも彼らは勝者なんだ」。

 殿堂入りするメンバーの中には、選手として優勝経験を持たない選手がいることは事実。オールNBAチームやオールディフェンシブチームの選出経験はないクーコッチとハーパーだが、クーコッチはブルズで3度、ハーパーはブルズ(3度)とロサンゼルス・レイカーズ(2度)で計5度の優勝を勝ち取ってきた。

 その点ではピペンが言うように、彼らは勝者なのかもしれない。特にクーコッチは2017年にFIBAで殿堂入りしており、NBAにおいても2度ファイナリストに入っただけに、来年以降で殿堂入りする可能性は十分あるのではないだろうか。

1990年代後期の3連覇で主力を務めた選手たち(左からロドマン、ピペン、ジョーダン、ハーパー、クーコッチ)[写真]=Getty Images

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