2018.09.17
5月20日(現地時間19日)、ゴールデンステート・ウォリアーズのチーム練習に顔を出したスコッティ・ピペン(元シカゴ・ブルズほか)が、現地メディアから受けた複数の質問に答えた。
その中で、最も注目を集めたのはマイケル・ジョーダン(元ブルズほか)とレブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ)の比較だろう。
以前、「レブロンは、得点以外のスタッツ面で言えば、ジョーダンを超えていると思う」と発言していたピペンだが、この日は両者のチーム内における役割についてふれるなど持論を展開。
「レブロンは選手としてのマイケルとは異なった役割でプレーしている。レブロンがチーム内でこなしていることを、マイケルはやろうとする必要がなかった。(レブロンよりも)小さな役割だったんだ」。
キャリア平均30.12得点で歴代トップに君臨しているジョーダン。通算10度の得点王に輝くと共に、10度のオールNBAファーストチーム、9度のオールディフェンシブ・ファーストチーム入りを果たし、攻防両面において支配的な選手としてキャリアを終えた。
キャリア初期は積極果敢にリムを攻めたて、驚異的な個人成績を残してきたジョーダンだが、1度目の現役復帰を果たした95年以降、ゲームメークはピペンへ、ディフェンスをロン・ハーパー、リバウンドをデニス・ロッドマン(共に元ブルズほか)に任せるなど、スコアリングに重点を置いてプレー。
一方のレブロンは、高校卒業後にNBA入りし、所属チームのコンダクター兼最高のスコアラーとして活躍。33歳となった今季も、平均27.5得点8.6リバウンド9.1アシスト1.4スティールをマーク。平均得点はここ8シーズンで最も高く、リバウンドもキャリアハイを記録した昨季と同等、アシストに至っては、キャリア15シーズン目にしてキャリアベストを更新している。
それに対して、ジョーダンが33歳を迎えた96-97シーズンの成績は、平均29.6得点5.9リバウンド4.3アシスト1.7スティール。スタッツ面を比較すると、得点面とスティール面に大差はないものの、リバウンドとアシストを見るとレブロンに分があるのは明らかだ。ピペンはこう続ける。
「スタッツ面で言えば、ゲーム全体をとおして、マイケルが残してきた数字よりも、レブロンが記録する数字のほうが良いと思うはずだ。でも、当時の俺たち(ブルズ)は、マイケルを(スタッツ面で好数字を残すべく)利用しようとはしなかった。だがキャブスはレブロンに頼らざるをえない状況となっている。だから、この比較は不公平だ」。
ピペンが言うように、当時のブルズにはワークシェアできるだけのタレントとチーム力があった。そして96-97シーズンのブルズは、リーグトップの69勝をマークし、2連覇を飾っている。その中で、ジョーダンは絶対的なスコアラーとしてNBAのどのチームよりも勝ち星を手にし、優勝を果たしている。
レブロンはすでにジョーダンがレギュラーシーズンとプレーオフで出場した試合数を突破しており、NBAファイナルの出場数でも上回っている。そのため、ジョーダンが樹立した記録の数々を、今後も超えていくことになるはずだ。
そのため、ジョーダンとレブロンという2人の世界的なスーパースターを、公平に比較することは難しい。以前「ジョーダンという亡霊を追っている」と語っていたレブロン自身も、そのことを理解しているのかもしれない。
ただ、もしその指標を1つだけ挙げるとすれば、それは“優勝回数”となるだろう。ジョーダンの6回に対し、現状のレブロンは3回。ジョーダンに追いつくべく、レブロンは今後も優勝を勝ち取るために、身を粉にしてプレーしていくことだろう。
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