Bリーグ公認応援番組
『B MY HERO!』
シカゴ・ブルズが最後の優勝を飾った1997-98シーズンを追跡したドキュメンタリー『ザ・ラストダンス』は世界中のバスケットボールファンを虜にし、大成功に終わった。
現在ダラス・マーベリックスの指揮官を務めるリック・カーライルHC(ヘッドコーチ)は、マイケル・ジョーダン(元ブルズほか)やアキーム・オラジュワン(元ヒューストン・ロケッツほか)、チャールズ・バークリー(元フェニックス・サンズほか)、ジョン・ストックトン(元ユタ・ジャズ)といった殿堂入り選手たちと同じく1984年のドラフトで指名された選手でもあった。
84年のドラフト3巡目全体70位でボストン・セルティックスから指名されたカーライルは、シューティングガードとして5シーズンをプレー。そのうちセルティックスではラリー・バード、ケビン・マクヘイル(共に元セルティックス)、ロバート・パリッシュ(元セルティックスほか)という“ビッグ3”を中心にリーグトップの67勝15敗を挙げた85-86シーズンも所属しており、レジェンドたちと優勝を手にした経験も持つ。
当時のNBAと言えば、アービン“マジック”ジョンソン率いるロサンゼルス・レイカーズがウェスタン・カンファレンスを支配し、イースタン・カンファレンスではセルティックス、アイザイア トーマス擁するデトロイト・ピストンズが覇権を争い、ジョーダンを中心としたブルズが優勝候補へと変貌する過程にあった。
5月23日(現地時間22日)に『The Athletic』へ掲載された記事の中で、カーライルHCはデイビッド・オルドリッジ記者へこう話していた。
「あの頃、NBAの強豪チームには必ずと言っていいほど支配的な選手たちがいた。バード、マジック、トーマス、それにマイケルだ。彼らは分かっていたんだ。究極のレガシー(コート上で残した功績)というのはチャンピオンリングの数だとね。現在プレーする選手たちへ、最高のメッセージになったと思う」。
カーライルHCは当時と現代の違いとして、選手がプレーする環境の違いについて指摘していた。
「当時はSNSもなく、気を散らしてしまうようなことも今ほどなかった。シューズ契約なども大物くらいしか結んでいなかったしね。でも今は多額な金銭やいろいろなことが絡んでいる。チャンピオンシップを1回、あるいは2回や3回、(ジョーダンのように)8年で6回勝ち取ることではなく、他のことに取りつかれてしまう要素をいくつも見つけられるんだ」。
当時も迫力満点のダンクや技ありのアシストやスティール、豪快なブロックショットといったスーパープレーはいくつもあった。だがSNSですぐさま世界中に拡散される現代と比べれば控え目で、シューズやウェア、スポーツドリンクやファッションブランドなどのスポンサー契約も少なかったことは事実。
カーライルHCには、現代の選手たちが優勝することだけでなく、様々なことに目を向けてしまっているように映ったようだ。
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