2020.06.12

NBAドラフト2020で上位指名が確実視されているポイントガード4選手

NBAドラフト2020の主役になりうる4人のポイントガードを紹介[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 新型コロナウイルスのパンデミックにより、リーグ再開とともに先行きが不透明だったNBAドラフト2020は、ロッタリー(指名順位の抽選)が8月26日、ドラフトが10月16日に行われる予定となった。

 これまで、来季のドラフトで1位指名を獲得する各球団の確率やIQテストによるスカウトなどについてお伝えしてきたが、今回はNBAドラフト2020にエントリーし、上位指名が有力視されているポイントガードの選手をご紹介。

 今年は昨年のザイオン・ウィリアムソンのような1位指名確実の選手が不在。しかし、現段階のモックドラフトでは、上位10指名のうち4選手がポイントガードを主戦場にしている。チーム力を一変させる可能性を秘めたポジションだけに、この4選手は想像以上に人気株になるだろう。

 以下では、各選手の特徴とあわせて、入団が期待される球団予想も披露していく。

■ラメロ・ボール(イラワラ・ホークス)

 言わずと知れたロンゾ・ボール(ニューオーリンズ・ペリカンズ)擁するボール家の三男。ラメロの才能は同兄弟の中でも突出したものがあり、彼はアメリカのカレッジに進学せず、現在はNBL(オーストラリアのプロバスケットボールリーグ)のイラワラ・ホークスで経験を積んでいる。

 高校時代のスター性もさることながら、NBLでもリーグ史上最年少でトリプル・ダブルを記録するなどチームの主力選手として活躍し、17得点、7アシスト、7リバウンドの平均スタッツをマーク。しかし、フィールドゴール成功率37パーセントはまだまだ向上の余地を残す数字で、3ポイント成功率24パーセントという結果も現代のNBAでは心許なく、1on1のスキルもそれを補うとは言い難い。
 
 203センチの高身長と長いウイングスパンは非常に魅力的で、ポテンシャルの高さはトップクラス。しかし、ハイリスク・ハイリターンな選手のため、指名にはある程度の勇気が必要だ。

 1位指名有力のゴールデンステイト・ウォリアーズは、ドラフトにポイントガード枠を使用する場合、当初はラメロの獲得を視野に入れていたものの、現在は以下で紹介するタイリース・ハリバートンがポールポジションにいると報じられている。また、ボール家はニューヨーク・ニックスの入団を後押ししているが、ニックスより上位指名の可能性が高いミネソタ・ティンバーウルブスも有力候補。もし加入すれば、ディアンジェロ・ラッセルのサポート選手として活躍が期待でき、華のある2ガードが結成されるかもしれない。

■コール・アンソニー(ノース・カロライナ大学)

 ラメロ以上に将来性を秘めているのが、コール・アンソニーだろう。アンソニーは、世代別1stチームの常連であり、2019年には有力選手が一堂に会するジョーダン・ブランド・クラシックとナイキ・フープ・サミットでMVPを受賞。同年代でも頭ひとつ抜けた存在として、早くからその才能が注目されてきた。

 マイケル・ジョーダンの母校であるノース・カロライナ大学では、ケガにより22試合の出場にとどまった。しかし、アンソニーはデビュー戦から34得点11リバウンド5アシストと大爆発。続く2試合目、3試合目もハイアベレージを記録し、アンソニーはこれまで誰も成しえなかった、フレッシュマンで開幕3試合連続20得点以上を記録した大学史上初の選手となった。

 こうして見ると得点力に秀でた選手という印象を受けるが、アンソニーはディフェンスにも定評がある。その証拠に、同選手はナイキが主催する2017年のEYBL(エリート・ユース・バスケットボール・リーグ)で参加選手全員からスティールを奪い、年間最優秀ディフェンス選手に輝いた。

 そんな引く手数多のアンソニーは、ニューヨークで腕を磨いたこと、そして父が元ニックスの選手だったことから、同球団と相思相愛と言われている。RJ・バレットとの1年目×2年目コンビであれば、バスケにうるさいニックスファンたちを少しは黙らせることができるかもしれない。

■キリアン・ヘイズ(ラツィオファーム・ウルム)

 キリアン・ヘイズは、ルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)に次ぐ欧州の逸材として、NBAの各球団が熱視線を送ってきた。アメリカ生まれ、フランス育ちのヘイズは16歳にして、ルディ・ゴベアらを輩出した名門ショレ・バスケットでプロデビュー。その後、2019年にドイツへと渡り、現在はラツィオファーム・ウルムでプレーしている。

 優れたプレーメイキング力と独特なハンドリングやドライブを特徴とするヘイズは、得点能力も備えたコンボガードで、そのスタイルからジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)と比較される。また、ペイントエリアのコンタクトでも当たり負けすることのない身体の強さを武器に、攻撃的なディフェンススキルも高く評価されている。

 2017年にはジョーダン・ブランド・クラシックのインターナショナル部門と、FIBAのヨーロッパ大会でMVPを受賞し、その実力は折り紙つき。また、ドイツでのこの1年は平均12.8得点、6.2アシスト、2.3アシスト、1.5スティールというスタッツを残しており、フィールドゴール成功率45.5パーセント、3ポイント成功率39パーセントは、NBAでも通用する確率だ。

 5位指名前後が予想されているヘイズは現在、各ポジションで強化を必要としているデトロイト・ピストンズが指名の有力候補とされている。しかし、多くの球団がポイントガードを必要としている以上、入団先は蓋を開けてみないとわからない、というのが正直なところ。いずれにせよ、完成度の高い選手だけに、ルーキーイヤーから活躍が期待される。

■タイリース・ハリバートン(アイオワ州立大学)


 
 下馬評では上の3選手を下回るものの、ハリバートンもまた、彼らに劣らず成功の可能性を秘めた選手で、欲する球団は少なくないはずだ。

 ハリバートンの最大の魅力は、王者ウォリアーズが関心を寄せるほどのバスケIQの高さにある。また、パスセンスに定評があり、昨年のFIBA U19ワールドカップではアメリカ代表のエースポイントガードを任され優勝に貢献し、大会ベスト5に選出。大学2年目はケガにより22試合でシーズンが終了したものの、平均15.2得点、6.5アシスト、5.9リバウンドと優秀なスタッツを残しており、何よりフィールドゴール成功率50.4パーセント、3ポイント成功率41.9パーセントというショット確率は他の選手を凌駕する。ちなみに、1年目もそれぞれ51.5パーセント、43.4パーセントと好成績をマークしていることを追記すれば、彼の安定感がお分かりいただけることだろう。

 ハリバートンについては、ウォリアーズが高く評価しているが、彼らが1位指名を獲得した場合、ピックされる可能性は低いという見解もある。バスケIQが高いため、基本に忠実なクラシカルなプレースタイルで知られるサンアントニオ・スパーズは、非常に相性がいいのではないだろうか。

文=Meiji