2021.06.02
キャリア9シーズン目となった今季、デイミアン・リラードはポートランド・トレイルブレイザーズのエースとして平均28.8得点4.2リバウンド7.5アシストを残し、8年連続のプレーオフ進出に大きく貢献。
レギュラーシーズン最後の12試合を10勝2敗で終えたブレイザーズは、ウェスタン・カンファレンス6位の42勝30敗という成績を引っ提げて、デンバー・ナゲッツ(ウェスト3位/47勝25敗)とのプレーオフ ファーストラウンドに臨むこととなる。
リラードは18日に『The Athletic』へ掲載された記事の中で、優勝への熱い思いを口にしていた。
「俺がどれだけ勝ちたいか、自分の欲望をうまく表現できないな。それが全てなんだ。俺はチャンピオンシップを勝ち取りたい。そしてそれをこの街で成し遂げたいんだ。ブロードウェイで(優勝)パレードをして、『El Gaucho』(ステーキハウス)を通りたい。それが俺の考えなんだ。プレーオフが始まったら、俺はいつも『今年こそ俺たちが世界中を驚かすか、成功できるか?』という気持ちになるんだ」。
ブレイザーズは1992年を最後にNBAファイナルから遠ざかっており、フランチャイズ史上でチャンピオンとなったのは77年のみ。チームは今季もリラードとCJ・マッカラムというリーグ屈指のオフェンシブなガードデュオを擁し、ロバート・コビントンやユスフ・ヌルキッチ、ノーマン・パウエル、カーメロ・アンソニー、エネス・カンターといった選手たちが周囲を固めている。
だが憎たらしいほどの勝負強さを誇るリラードがいるとはいえ、このチームを優勝候補に挙げる識者はゼロに等しい。オフェンシブ・レーティングではリーグ2位の117.1と破壊力満点ながら、ディフェンシブ・レーティングではリーグ29位の115.3と難を抱えており、プレーオフを勝ち上がるのは厳しいというのが現状だ。
そして今年のプレーオフで早期敗退あるいはインパクトを残せなかったら、テリー・ストッツHC(ヘッドコーチ)と決別するかもしれないと同メディアが報じているだけに、今年のポストシーズンは重要と言っていい。
「毎年、この位置まで来たら、いつだって重要なんだ。どんな時であろうと査定になるからね。俺たちはここからどこへ向かっていくというんだ? 俺たちはやるべきことをこなしたと言えるのか? このチームに必要な変化は何なんだ? それが俺の頭の中にある思いさ。変化というのが選手たちを動かしたり、コーチ陣を代えることなのかは分からないね。NBAではなんだって起こり得る。変化することで成長を促すこともあるし、自分自身を向上させるチャンスにもなるかもしれない。でも、俺は自分たちが多くのことをやってきたと思っている」とリラードは苦しい胸の内を明かしている。
ただ、クラッチタイムに真価を発揮する男は、プレッシャーになっているとは「考えていない」と話しており、8年連続でプレーオフまで駒を進めてきたことに自信をのぞかせていた。
ブレイザーズにとって、今季1勝2敗で負け越しているナゲッツをプレーオフで破るためには、MVP最有力候補と称されるニコラ・ヨキッチをスローダウンさせることがマスト。シーズン最後の12試合ではディフェンシブ・レーティングがリーグ15位(111.6)まで改善されていただけに、プレーオフでもディフェンスで相手をストップできるかがカギとなりそうだ。
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