2021.08.06
スペイン産の技巧派センター、マルク・ガソルは、キャリア晩年の拠点にロサンゼルス・レイカーズを選んだ。レイカーズ加入以前は母国へと帰国し、FCバルセロナ復帰の噂も騒がれたが、最終的にはレブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビスという現代NBAの最高峰とプレーできる機会を選択した。
ガソルのレイカーズ初年度は、及第点と評価するべきなのかもしれない。1試合平均5.0得点、4.1リバウンドはNBAキャリア最低の成績。出場時間も平均19.1分と、20分を下回ったのはこれが初めてのことだ。
しかし、ガソルはレイカーズへの忠誠を誓った。アンドレ・ドラモンドの加入後、それまで先発を務めていたガソルはバックアッパーへと降格。しかし、気持ちが途切れることも準備を怠ることはなく、コートに立てば堅実な働きでチームに貢献し、オンコートにおける100ポゼッションあたりの±では、+3.8を記録した。
今シーズンは相次ぐ負傷者と前年の疲労から結果的には大きく後退したレイカーズだが、ガソルは早くも来シーズンを見つめ、チームのポテンシャルを信じている。
「ロスターを見てほしい。AD(アンソニー・デイビス)がいてもいなくても、僕たちのチームの可能性と能力は一目瞭然だ。それは、どれだけチームのためにどれだけ犠牲を払い、試合に集中して、チームメートを守るためにどれだけ精神を削ることができるか、ということだよ」
説得力のあるコメントには、多くの修羅場をくぐり抜けてきたベテランらしい重みがある。また、NBAのトッププレーヤーであるガソルは、チームの勝利のためには犠牲と助け合いの精神が必要であることを説いている。
「派手さはないかもしれないが、簡単なことではないんだ。犠牲を払い、話し合いを行って、すべてのものごとをこなしても、通常、その多くはレポートされることはない。だけど、レブロンやADのような2選手がいる場合、グループを構築し、一貫性を与えるために助け合う必要がある」
「誰もが輝くことができるわけではない。誰もが自分で試合を作れるわけではない。でも、彼ら(レブロンとAD)は多くの才能を持っているから、僕たちはフィットして、チームに何を持ち込めるかを見極める必要がある。それと同時に、フロアの至る所で彼らを助けなければいけないんだ」
そして、レイカーズの背番号14は苦渋を舐めた今年のリベンジを果たすべく、来シーズンも現在のロスターで戦うことを望んでいる。
「来年のロスターを見ても、僕は絶対的にこのチームには十分なクオリティがあると思っている。才能があることに、疑いの余地はない。チャンピオンシップを勝ち取った翌年に、文化は確立した。だから、全員がその文化に賛同し、それをより良くするために何をしなければいけないのかを理解する必要があるんだ」
自分への戒めか、それとも今シーズンレイカーズに加入した若く、才能に溢れるニューカマーたちへの助言なのか。いずれにせよ、チームを俯瞰するガソルには、足りないものが見えているように思える。
文=Meiji
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