2021.11.15
現在、アウェー3連戦の真っ只中にいるアトランタ・ホークスは、10月28日(現地時間27日、日付は以下同)のニューオーリンズ・ペリカンズ戦に102-99で勝利を収めたものの、翌29日のワシントン・ウィザーズ戦に111-122で敗戦。
この試合、ホークスではジョン・コリンズがゲームハイの28得点に12リバウンド3アシスト、キャメロン・レディッシュが20得点を残すも、トレイ・ヤングは13アシストこそ配球したのだが、フィールドゴール成功率35.3パーセント(6/17)、3ポイント成功率20.0パーセント(1/5)の計15得点に終わっていた。
すると試合後の会見途中に、ホークスのエースは「あまり罰金を払いたくはないんだけど、もどかしい」とこぼした。
ヤングが言いたいこと、それは今季から意図的にファウルを誘うようなプレーはノーコールまたはオフェンシブ・ファウルとコールされるようになったルール変更について、選手側の思いを口にしたかったからなのだろう。
この新ルールによって、相手ディフェンダーからファウルをもらってフリースローを獲得し、得点をつなげることが困難となり、ヤングヤジェームズ・ハーデン(ブルックリン・ネッツ)といった選手たちのフリースロー試投数が激減。
ヤングは今季5試合を終えた時点で平均4.4本。昨季は同8.7本もあったことから、約半減している。一昨季まで6シーズン連続で平均2ケタ本数を残していたハーデンは、昨季の同7.3本から今季は3.0本と、その変化は顕著だ。
この試合ではゲーム進行が遅れたこともあり、テクニカルファウルを宣告されていたヤングは「誤ったコールがたくさんあった。これはバスケットボールなんだ。彼ら(レフェリーたち)はただ学んでいるような気がする。彼らは…僕には分からないけど、なんだかもどかしいんだ」と語り、新ルールについては「ジェームズは彼について(のルール変更だ)と言っていた。けど、これは1人か2人が標的になっているわけじゃない」とコメント。
ヤングは今季、デイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)がキャリアワーストの平均17.8得点のフィールドゴール成功率33.3パーセント、3ポイント成功率17.1パーセントと低迷している点、デビン・ブッカー(フェニックス・サンズ)がフィールドゴール成功率40.7パーセント(自己ワースト)にとどまっていることについても口にしていた。
「デイミアン・リラードが平均17得点なんて、ルーキーイヤー以降でたぶん見たこともないはずだ。ブックのアベレージ18(実際は21.5)もそう。(新ルールによって)ドライブしていった選手たちがバランスを崩されている。相手が下半身や手を使っているのは依然としてファウルなんだ」。
今季はまだ始まったばかりのため、まだファウルをコールするかどうか、意図的に接触してファウルをもらおうとしているのか、その境界線を決めかねている部分もあるのかもしれない。
ウィザーズのカイル・クーズマはツイッターで「ルール変更はここ最近の歴史の中でもベストだね。ゲームを観ていて全然違う」と投稿していたものの、ヤングはこう主張していた。
「ルール変更については賛成だ。でも依然として(相手ディフェンダーによる)ファウルもあるんだ。それによって傷ついてしまう。特に僕のような小柄な選手というのは、自分よりも大きくて強じんな相手に向かっていく。そこで彼らは身体や足、あるいは手を使って僕を止めにくるんだ」。
ルール変更になったとはいえ、ドライブやショットを狙う選手に対して相手ディフェンダーが跳びかかって接触すればファウルを吹かれるのは当然のこと。不可解な動きで自らぶつかりに行ってファウルをもらうようなプレーは激減しているなか、今後ヤングやハーデンのような選手たちがどんなアジャストを見せていくのかは興味深い。
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