2022.01.22
1月22日(現地時間21日、日付は以下同)。NBAという世界最高のプロバスケットボールリーグで、日本人対決が約2年ぶりに実現しようとしている。
ワシントン・ウィザーズのホーム、キャピタルワン・アリーナで22日に開催されるトロント・ラプターズとの一戦は、八村塁(ウィザーズ)、渡邊雄太(ラプターズ)という本契約を結ぶ2人の日本人選手がコートで競演するという期待が高まっている。
まずは2018-19シーズンからメンフィス・グリズリーズの一員としてNBA入りした渡邊と、翌19-20シーズンにリーグ入りした八村の直接対決の経過を見ていこう。
※日付はいずれも日本時間、チーム名は略称、右側がホームチーム
【2019-20シーズン】
19年12月15日:ウィザーズ×グリズリーズ
20年2月10日:グリズリーズ×ウィザーズ
当時ルーキーだった八村と、2ウェイ契約2シーズン目の渡邊はこのシーズンに2度対戦。どちらも試合に出場し、12月の試合では第2クォーター途中に両者がマッチアップし、渡邊が八村のフェイダウェイジャンパーを守り切るシーンも。初戦では八村が約29分出場して10得点4リバウンド、渡邊が約7分プレーして無得点に3リバウンドをマークしている。
八村が鼠径部の痛みから復帰して3戦目となった2月の試合。先発パワーフォワードを務めた八村は約25分の出場でダブルダブル(12得点11リバウンド)、渡邊は約10分プレーして無得点に1リバウンドを残すも、両選手によるコート上のマッチアップは実現せず。
【2020-21シーズン】
21年2月11日:ラプターズ×ウィザーズ
21年4月6日:ウィザーズ×ラプターズ
21年5月7日:ウィザーズ×ラプターズ
昨季は渡邊が八村と同じイースタン・カンファレンスに所属するラプターズへ移籍したことで、レギュラーシーズン中の対戦数が3試合に増加。だが初戦は渡邊、2戦目は八村、3戦目はそろって欠場してしまい、日本人対決は実現しなかった。
【2021-22シーズン】
21年10月21日:ウィザーズ×ラプターズ
21年11月4日:ラプターズ×ウィザーズ
21年12月6日:ウィザーズ×ラプターズ
今季は開幕戦から両選手が所属するチーム同士の対戦が組まれたのだが、最初の2戦はいずれも欠場。12月の試合で渡邊が出場して7得点を残すも、八村はコンディション調整のため欠場していた。
22年1月22日の今季最終戦で八村と渡邊が出場できれば、約2年ぶりの競演、同じ時間帯でコートに立ってマッチアップできれば、19年12月以来の快挙となる。
直近6戦で4勝と好調のウィザーズは、現在イースト8位の23勝22敗。個人的な事情で昨年10月中旬に合流後、1月10日に今季初出場を飾った八村は今季6試合の出場で平均14.8分7.7得点3.0リバウンドながら、ここ2試合連続で2ケタ得点をマーク。
20日のブルックリン・ネッツ戦では右コーナー、右エルボーから3ポイントを決めただけでなく、リング下でファウルを受けながらショット成功、さらにはミドルレンジからジャンパーを決め切るなど調子を上げている。
「彼はコンスタントに前へと進んでいる。彼は今でも流れをつかもうとしている段階だ。我々は彼がさらに良いプレーをしていくと見ている。より快適になって、リズムよくできるとね。このチームの(新たな)オフェンスとスペーシングといったことを学んでいる最中なんだ。彼はこれからも成長し、進歩を続けていくさ。彼のパフォーマンスをうれしく思っている」。
新型コロナウイルスの安全衛生プロトコル入りによって離脱するウェス・アンセルドJr.HC(ヘッドコーチ)の代替HCとしてウィザーズの指揮を執るジョセフ・ブレアーAC(アシスタントコーチ)はそう語っており、ラプターズ戦の活躍にも期待を寄せていることだろう。
一方、渡邊が所属するラプターズは21勝21敗でイースト10位。アウェイ5連戦中で、ここ2戦は7人ローテーションで戦っている。渡邊は12日のフェニックス・サンズ戦、16日のミルウォーキー・バックス戦で先発出場したものの、現地時間で1月に入ってから出場した4試合で計6得点。ここ2試合は出場選手登録こそされているものの、コートへ立てていない。
昨年12月に平均22.1分8.6得点4.7リバウンド1.3アシストにフィールドゴール成功率45.1パーセント、3ポイント成功率40.0パーセントを残すも、1月に入って同プロトコル入りしたこともあり、今月は平均9.7分1.5得点1.0リバウンドにフィールドゴール成功率10.0パーセント、3ポイント成功率14.3パーセントにとどまっている。
ただ、両チームは今季のプレーオフあるいはプレーイン・トーナメント出場争いを繰り広げており、1試合ごとの結果が今後を大きく左右するかもしれないだけに、渡邊が3試合ぶりに出場する可能性はあるはず。
といっても、22日の試合でチームファーストの両選手が直接マッチアップしたとしても、互いに点を取り合ったり、ブロックショットやリバウンドを奪うことを目標に掲げてプレーすることはないだろう。
それでも、次戦で健康体の彼らがコートに足を踏み入れて、勝利のために競い合うことで、日本だけでなくNBAにも日本人対決が新たなチャプターへ突入する歴史的瞬間となるに違いない。
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