2022.03.28

アイバーソンがジョーダン相手に見せたクロスオーバーを回想「俺が考えていたのは…」

1990年代後半から2000年代序盤にかけて、絶大な人気を誇ったアイバーソン[写真]=Getty Images
バスケ情報専門サイト

 3月26日(現地時間25日、日付は以下同)。『NBA.com』へアレン・アイバーソン(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか)のインタビューが掲載された。

 アイバーソンと言えば、1990年代後半から2000年代中盤にかけてリーグ屈指のスコアラーとして一世を風靡したスーパースター。ヒップホップを前面に押し出したファッションやコーンロウなど、数多くのバスケットボールプレーヤーたちへ影響を与えてきた人物である。

 シクサーズやデンバー・ナゲッツ、デトロイト・ピストンズなどで計14シーズンをプレーしてきたアイバーソンは、キャリア平均41.1分26.66得点3.7リバウンド6.2アシスト2.2スティールを残し、得点王に4度、スティール王に3度輝いた。

 2000-01シーズンにはシクサーズをイースタン・カンファレンス1位の56勝26敗へと導き、平均31.1得点3.8リバウンド4.6アシスト2.5スティールを残してMVPを獲得。01年にシクサーズがNBAファイナルへ勝ち上がる立て役者となり、その人気を不動のものとした。

 アイバーソンには疲れ知らずのスタミナと電光石火のクイックネス、どれだけ落とそうがショットを打ち続けるメンタルの強さがあり、ボールを手にした時の速さで群を抜いており、振り幅が大きなクロスオーバーで何度も相手選手を抜き去ってきたことも印象的。

 特にルーキーシーズン(96-97)の97年3月13日に行なわれたシカゴ・ブルズ戦は、アイバーソンの名を世界中に知らしめたと言えるだろう。トップ・オブ・ザ・キーからマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)を相手にクロスオーバーを駆使して惑わし、プルアップジャンパーを沈めてみせた。

 試合後、ジョーダンはそのシーズンに新人王となるアイバーソンを「彼のクイックネスは信じられないものだ」と驚嘆していたのだが、当の本人は今回掲載されたインタビューでこう振り返っていた。

「俺が考えていたのは、恐れることなどないというものだった。俺にはコート外で恐れていたことが数多くあったから、コート上では何もなかった。(あのクロスオーバーは)俺がコート上では何も恐れちゃいないということを暗示していたのさ。俺たちはバトルの最中だった。俺は目の前にいる彼(ジョーダン)をほかの選手たちのように見ていた。リーグ入りしてからというもの、俺は自分のムーブを見せつける機会があるとわかっていた。それをやってのけたということ。何も恐れずにね」。

 アイバーソンはルーキーシーズンに平均23.5得点4.1リバウンド7.5アシスト2.1スティールを残して新人王を獲得。NBAキャリアでオールスターに11度、オールNBAチームに7度選ばれており、75周年記念チームにも名を連ねた。

 そしてレギュラーシーズンにおけるキャリア平均得点は歴代7位。ファイナル進出こそ1度のみながら、通算71試合に出場したプレーオフではキャリア平均29.73得点をマーク。これはジョーダンの平均33.45得点に次ぐ歴代2位という大記録となっている。

 NBAチャンピオンとなることはできなかったものの、アイバーソンがNBAとバスケットボール界へ残してきたレガシーは今後も色あせることはなく、世界中の選手たちへインスピレーションを与えてきたことは、この男の影響力の大きさを物語っているはずだ。

マイケル・ジョーダンの関連記事