2022.09.19
今夏ルディ・ゴベアはユタ・ジャズから大型トレードでミネソタ・ティンバーウルブズへ移籍。今季はカール・アンソニー・タウンズと新天地でツインタワーを形成し、ディアンジェロ・ラッセルやアンソニー・エドワーズといった選手たちとプレーすることとなる。
ウルブズはゴベア獲得の見返りとして、パトリック・ベバリーやマリーク・ビーズリーら複数の選手たちとドラフト1巡目指名権を手放したものの、フリーエージェント(FA)戦線でカイル・アンダーソン、ブリン・フォーブズ、オースティン・リバースを獲得して戦力増強に成功。
今季のウルブズは昨季に続いて2年連続のプレーオフ進出だけでなく、さらにその先を見据えており、ゴベアは入団会見で「ゴールはチャンピオンシップを勝ち取ること。僕はそのためにここへやってきた。良いチームとなるためにここへ来たんじゃない。僕はこのチームをファイナルへ連れていけるように、優勝を成し遂げるためにやってきたんだ」と語っていた。
現役最多タイとなる3度の最優秀守備選手賞に加え、6シーズン連続でオールディフェンシブファーストチーム入りしているゴベアは、3年連続でオールスターにも選ばれており、リーグ有数のセンターなのは間違いない。
ただ、ゴベアに対して首を傾げているOBがいるのも事実。6月24日(現地時間23日)にYouTubeへ公開された『fubo Sports』の番組内で、トレイシー・マグレディ(元オーランド・マジックほか)はギルバート・アリーナス(元ワシントン・ウィザーズほか)、マット・バーンズ(元ロサンゼルス・クリッパーズほか)とのトークでこんなことを口にしていた。
「俺が疑問に思っているのは、オフシーズンにお前はいったい何やってんだ? ってこと。いや本当に、お前のワークアウトって何なんだよ?」
「いいか。ある年に(ヒューストン)ロケッツと対戦した時、俺はルディに対してすごく頭にきたんだ。クリス・ポール(現フェニックス・サンズ)がポストで彼をガードしていた。で、彼は何もできなかったんだ。何もね。彼は7フィート2インチ(公称は7フィート1インチの216センチ)もあって、相手のポイントガードがお前をガードしているんだ。でも彼は何もできなかった」。
ポールは183センチ79キロと、高さこそないものの、頑強な肉体と豊富な経験を持っており、相手に押し負けない強さがあるのは事実。高さのミスマッチがあろうと逃げも隠れもせず、自身の強みを駆使してガードしてしまう巧さも光る。
マグレディとしては、高さで圧倒的に有利なのだからアタックするべき、と心底思っていたのだろうが、おそらくポールはゴベアに自由を許さないポジショニングで守り、見事に封じたのだろう。
ゴベアはオフェンスとディフェンスで役割が限定されてしまう点があるものの、リーグ屈指のリムプロテクターとしての地位を確立してきただけに、ウルブズでも新たな守護神として期待されていることは間違いない。
現在ゴベアはFIBAユーロバスケット2022(欧州選手権)へ参戦すべく、フランス代表へ合流しており、国際親善試合もこなしている。SNSなどを通じてこういったネガティブな意見が本人の耳にも入っているかもしれないが、シャキール・オニール(元ロサンゼルス・レイカーズほか)というNBA史上最高級のセンターにいろいろと批判されるならまだしも、自身とほぼ入れ替わりでリーグから去ったスウィングマンのマグレディに叩かれても、あまり過敏に反応することはなさそう。
もしこの発言で怒りの感情を抱いているのであれば、次月の欧州選手権、そして今シーズンに向けたモチベーションとし、その思いをコート上でぶつけてほしいところだ。
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