2023.08.21

クラブとの関係修復は不可能か…ハーデンがコメント「夏の間、ずっと我慢してきた」

去就が注目されるハーデン[写真]=Getty Images

 今夏の移籍市場はブラッドリー・ビールクリス・ポールなど、オールスターが新天地へと旅立ち、一部で派手なトレードも敢行されたが、まだ解決しなければならない確執は残されている。

 そのひとつが、ジェームズ・ハーデンフィラデルフィア・セブンティシクサーズの亀裂である。ハーデンは中国でのイベントに参加した際、球団社長のダリル・モーリーを「嘘つき」と非難。優勝のために大幅な年俸減額を受け入れたものの、それに相応しい人員整理はなく、今夏のトレード先の模索についても球団側はハーデンをロスターに残す姿勢を示しており、ハーデンの要求とは乖離が見受けられたことが、この発言の主な原因と推測されている。

 10度のオールスターは、ヒューストンの地元メディア『KHOU』の取材に応じ、記者から「シクサーズとの関係を修復するには、すでに遅過ぎるのでしょうか?」という質問に対して、率直に「そうだと思う」と返答。シクサーズ退団希望の姿勢を崩さなかった。

「夏の間、僕はずっと我慢し続けてきた。今は自分がコントロールできることに集中して、来シーズンに向けて準備するだけだね」

 ハーデンは、子ども向けのイベントとセレブリティソフトボールゲームへ参加するために、ヒューストンに帰還していた。ハーデンはこのインタビューにおいて、“第二の故郷”であるヒューストンへの感謝と愛を強調している。

「この週末は、ヒューストンに恩返しをしたい。ここに13年近くいて、この街は僕の心の中で特別な場所として記憶されていて、コミュニティに敬意を示したいんだ。彼らは僕を受け入れてくれた。素晴らしい出会いに恵まれ、コート外でのビジネスや人間関係も築き上げた。だから、この場所は特別な場所で、僕は常にヒューストンと繋がっている」

「(子どもたちとの支援については)バックパックにシューズ、奨学金のサポート、4000家族以上への食事の提供などかな。継続しなければいけない。僕がその一部になれるように、何かを受け取ってくれる人や、イベントおよび慈善活動が彼らの役に立つことを願っているよ」

 ハーデンとシクサーズは、シーズン開幕までに解決策を見出さなければならない。『ESPN』によると、NBAはハーデンの公の場での直接的な球団批判を受けて調査に乗り出しており、仮に団体交渉協定の違反が確認されたり、球団側がハーデンを欺いた証拠が発見された場合、何かしらの処分が下されることになるだろう。無論、シクサーズは、キャリアの全盛期になるチームの大黒柱、ジョエル・エンビードにも満足のいく状況を提供しなければならず、対応は急務となっている。

 果たして、ハーデンとシクサーズの関係は、どのような結末を迎えることになるのだろうか。

文=Meiji

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