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8月25日から9月10日にかけて開催される「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」。4年に一度の世界一決定戦を前に、バスケットボールキングでは今大会で注目すべきナショナルチームをピックアップした。
文=秋山裕之
“ブーマーズ”の愛称で親しまれているオーストラリア代表は、FIBAランキングでスペイン、アメリカに次ぐ3位という世界屈指の強さを誇る。2016年の「リオデジャネイロ・オリンピック」、「FIBAバスケットボールワールドカップ2019」でいずれも4位、2021年夏の「東京オリンピック2020」では3位で終えて初のメダル(銅)を手にした。
25日からスタートする「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」で、オーストラリアはドイツ(FIBAランキング11位)、フィンランド(同24位)、日本(同36位)とともに“死のグループ”と評される激戦必至のグループEに入っており、日本の沖縄アリーナで競い合っていく。
ロスターにはパティ・ミルズ(アトランタ・ホークス)、ジョー・イングルズ(オーランド・マジック)というベテラン組に加え、ニック・ケイ(島根スサノオマジック)やマティース・サイブル(ポートランド・トレイルブレイザーズ)といった実力者がおり、今大会から203センチのジョシュ・ギディー(オクラホマシティ・サンダー)が国際大会デビューとなる。
8月14日のベネズエラ戦で97-41と快勝し、14得点8リバウンド9アシストを残した20歳の司令塔は「自分たちが望む位置には程遠いから、改善する余地がたくさんある。それはワールドカップへ向けて素晴らしいことでもある」と気を引き締めていた。
その後、チームは16日のブラジル戦を86-90で落とし、翌17日に南スーダン相手に88-67で快勝、20日のフランス戦には78-74と逆転勝利を収めた。22日には沖縄アリーナでジョージアと対戦するのだが、南スーダン戦で先発センター候補のジョック・ランデール(ヒューストン・ロケッツ)が左足首を負傷し、ワールドカップ欠場になったことは気がかり。
今後も211センチのドゥオップ・リースを先発センターとして起用するとはいえ、チームは206センチのケイ、203センチのゼイビアー・クックスもセンターのポジションに入れて多くの時間帯でスモールボールを展開していくこととなる。
もっとも、ブライアン・ゴージャンHC(ヘッドコーチ)は「我々はこのプレースタイルを作り上げてきた」と自信をもっており、ランデール不在とはいえ、このチームが優勝候補の一角であることに変わりはない。ブラジル戦に敗れた後にケイが「僕らの強みの1つは助け合いの意識」と話したとおり、チーム・ケミストリー、味方同士の連係向上が今後の鍵を握ってくる。
鮮やかかつ鋭いパスさばきでチームメートたちの得点機会を演出しつつ、自らもペイントエリアへ持ち込んで得点できるギディーを中心に、ミルズやイングルズ、ケイ、サイブルといった選手たちが一丸となって攻防両面でチームバスケットを展開できれば、“ブーマーズ”がワールドカップを勝ち上がることは十分可能だろう。
【オーストラリア代表メンバー】
#1 ダイソン・ダニエルズ(ニューオーリンズ・ペリカンズ)
#2 マティース・サイブル(ポートランド・トレイルブレイザーズ)
#3 ジョシュ・ギディー(オクラホマシティ・サンダー)
#4 クリス・ゴールディング(メルボルン・ユナイテッド)
#5 パティ・ミルズ(アトランタ・ホークス)
#6 ジョシュ・グリーン(ダラス・マーベリックス)
#7 ジョー・イングルズ(オーランド・マジック)
#9 ゼイビアー・クックス(ワシントン・ウィザーズ)
#11 ジャック・ホワイト(オクラホマシティ・サンダー)
#14 ダンテ・エクサム(ダラス・マーベリックス)
#15 ニック・ケイ(島根スサノオマジック)
#26 ドゥオップ・リース(アル・リヤディ・ベイルート)