2023.08.21

【ワールドカップ注目選手】パティ・ミルズ(オーストラリア代表)「初優勝を目指すブーマーズの “ハート&ソウル”」

オーストラリア代表をけん引するベテランガードのミルズ[写真]=Getty Images
フリーライター

8月25日から9月10日にかけて開催される「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」。4年に一度の世界一決定戦を前に、バスケットボールキングでは今大会で活躍が期待される注目選手をピックアップした。

文=秋山裕之

NBAチャンピオンの経験も持つベテランガード

 1988年8月11日。オーストラリアの首都キャンベラで生誕したミルズは、両親の下でキャンベラにある小さなクラブ、シャドウズで初めてバスケットボールをプレーし、高校時代までをキャンベラで過ごした。

 2007年には「FIBA U19 ワールドカップ」でオーストラリア代表チームに選ばれ、5位に入ったチームで平均14.9得点4.6アシスト2.7スティールをマーク。その後オーストラリアのセントメリーズ大学へ進学し、2シーズンで平均16.4得点3.7アシストを残した。

 すると公称183センチ82キロのガードは、2009年のNBAドラフト2巡目全体55位でポートランド・トレイルブレイザーズから指名され、2シーズン在籍した。ロックアウトによって2011-12シーズン開幕が遅れるなか、ミルズは新疆フライングタイガース(中国のCBA)、オーストラリアのメルボルン・タイガースでプレー。シーズン途中の2012年3月28日(現地時間27日、日付は以下同)にサンアントニオ・スパーズと契約する。

 名将グレッグ・ポポビッチHC(ヘッドコーチ)の下、常勝チームでローテーション入りを果たし、2013年にはNBAファイナル進出、翌2014年にはNBAチャンピオンとなり、その後はスパーズでリーダー役も務めてきた。

 ここ2シーズンをブルックリン・ネッツでプレーしたミルズは、今夏の約1週間で3度のトレードを経験し、アトランタ・ホークスへ移籍。昨シーズンは平均14.2分の出場で6.2得点1.4アシストを残しており、優勝経験のあるベテランとして、新天地でもコート内外でリーダーシップを発揮したい。

ネッツでチームメートだった渡邊雄太と、ワールドカップで対戦することに[写真]=Getty Images

国際大会ではよりアグレッシブなスコアラーに

 そのミルズは“ブーマーズ”の愛称で親しまれているオーストラリア代表で “ハート&ソウル”として君臨する人物。NBAでもコート上を走り回ってアグレッシブにショットを繰り出し、味方の得点機会を演出するのだが、代表チームではそのプレースタイルが“超強気”となり、自信満々なリーダーとして引っ張っている。

 4度のオリンピック出場を誇り、25日からスタートする「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」は自身3度目のワールドカップ出場となる。2012年以降、オリンピックとワールドカップではいずれも平均20.0得点以上を残しており、2021年の東京オリンピックでは平均23.3得点6.3アシスト1.7スティールの大暴れ。男子オーストラリア代表チームへ初の銅メダルをもたらした3位決定戦では、いずれもゲームハイとなる42得点9アシストをたたき出す超絶パフォーマンスを見せた。

 オーストラリア代表の得点源として活躍を続けるミルズは、相手が目の前にいようと関係なくクイックモーションでキャッチ&シュートまたはドリブルで揺さぶってから長距離砲を繰り出し、複数のディフェンダーが待ち構える状況でもゴール下で体をうまく使ってフィニッシュまで持ち込んでしまう。

上背はないものの、クイックなシュートフォームでゴールを射抜く[写真]=Getty Images

 ガードとしてはフィジカルコンタクトにも強く、ディフェンス面でも強気な姿勢でチームメートたちを鼓舞する存在で、“グリーン&ゴールド”のユニフォームを身にまとったミルズは絶対に活躍を許してはならない存在。

 チームはウォームアップゲームでベネズエラ、南スーダン、フランスに勝利し、ブラジルに敗れて3勝1敗。22日に沖縄アリーナでジョージアと対戦後、25日に開幕するワールドカップ本戦ではグループEでフィンランド、ドイツ、日本と激突する。

 先日のウォームアップゲームで「僕らのゴールはただ1つ。ホームに金メダルを持ち帰ること」と観客へ向けて話していたミルズとオーストラリア代表が狙うのは、もちろんワールドカップ制覇。そのためには、この4戦で3ポイントシュート成功率17.6パーセント(6/34)に終わっているミルズの復調がカギを握ることになりそうだ。

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