2024.06.16
ボストン・セルティックスの3勝0敗で迎えた6月15日(現地時間14日、日付は以下同)の「NBAファイナル2024」第4戦。ホームのアメリカン・エアラインズ・センターで臨んだダラス・マーベリックスは、後がない状況で相手を圧倒し、最終スコア122-84という思わぬ大差をつけてシリーズ初勝利を飾った。
この日のマブスはこれまでの3戦で成功率28.2パーセント(22/78)と不発だった3ポイントシュートが面白いように決まり、成功率40.5パーセント(15/37)の高確率を残し、ペイントエリアの得点では60-26とセルティックスを圧倒。
NBAファイナルという大舞台で38点差の勝利は、シカゴ・ブルズがユタ・ジャズに96-54で圧倒した1998年のファイナル第3戦の42点差、セルティックスがロサンゼルス・レイカーズ相手に131-92の39点差で大勝した2008年のファイナル第6戦に次いで、NBA歴代3位の大差となった。
見事な勝利を手にしたマブスのジェイソン・キッドHC(ヘッドコーチ)は冷静にこう話していた。
「このグループは準備万端だった。相手が祝福しようとしていたから、我々は踏みとどまったんだ。この勝利を必要としていた。我々としては今夜のようなプレーを続けていかなければならない。このリーグで最も難しいのは、失うものがないグループのシーズンを終わらせることにある。今夜の試合を見て分かったはずだ」
4戦全敗のスウィープを回避したマブスだが、1勝3敗と依然としてセルティックスに王手をかけられており、厳しい状況にいることは事実。それでも、敵地TDガーデンで行われる18日の第5戦でも踏ん張れば、再びホームへ戻ることができる。
第4戦ではルカ・ドンチッチがゲームハイの29得点に5リバウンド5アシスト3スティール、カイリー・アービングが21得点4リバウンド6アシストを奪取。さらに5本の長距離砲を決めたティム・ハーダウェイJr.が15得点、デレック・ライブリー2世が11得点12リバウンド、ダンテ・エクサムが10得点を残した。
前半終了時点で25得点を奪ったドンチッチ(25歳と107日)は、NBAファイナルの試合で前半に25得点以上を奪った選手として歴代3番目の若さとなった。ドンチッチを上回るのは、1986年のアキーム・オラジュワン(元ヒューストン・ロケッツほか)、2017年にクリーブランド・キャバリアーズで達成したカイリーのみ。
また、ライブリー2世(20歳と123日)はキャリア初、しかもNBAファイナルとしては史上最年少で3ポイントを成功し、第3戦の11得点13リバウンドに続いて2戦連続のダブルダブル。ファイナルで新人ながら2戦連続ダブルダブルをクリアしたのは、1980年にレイカーズで達成したアービン“マジック”ジョンソン以来初となった。
セルティックスとマブスによるシリーズは、第5戦でこの試合の大敗から立ち直ってセルティックスが優勝を決めるのか、それともマブスがこの勢いを持続させて連勝を飾ることができるのか。次戦も両チームの攻防に注目だ。
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