2021.12.13

スラダン奨学金の須藤タイレル拓がNCAA一部のノーザンイリノイ大学からオファー

須藤タイレル拓にNCAA1部の大学からオファー(写真はイメージ)[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

「スラムダンク奨学金」の第13期生、須藤タイレル拓は、アメリカの地でその才能を開花させつつある。

 現在、セントトーマスモアスクールに在籍する須藤は先日、全米最強のプレップスクールであるブリュースターアカデミーと激突。ブリュースターはドウェイン・ウェイドの息子であるザイール・ウェイドが在籍していたことも記憶に新しく、過去にはドノバン・ミッチェル(ユタ・ジャズ)やデボンテ・グラハム(ニューオーリンズ・ペリカンズ)らを輩出。2010年から2020年にかけて7度のナショナルタイトルを獲得しており、アメリカでは説明不要の超名門校として名を馳せている。

 須藤は、そんな強豪相手に持ち前のスピードとスキルで実力者たちを圧倒。3ポイントシュートを警戒しながらのディフェンスにブリュースターは終始手を焼き、須藤のキレのあるドライブに置いていかれるシーンもしばしば。途中、ホームの観衆を総立ちにさせる豪快なダンクも飛び出し、須藤はゲームハイとなる36得点を叩き出して見事勝利に貢献した。

 そんな須藤の活躍はSNS上でも大きな話題となったが、さらなるステップアップが期待される同選手にさらなる朗報が舞い込んできた。

 セントトーマスモアスクールの背番号10は、ノーザンイリノイ大学のラション・ブルノ監督とのミーティングを経て、同校からスカラシップオファーを受け取ったことを報告した。

 ハスキーズの愛称を持つノーザンイリノイ大学バスケットボール部は、NCAAのディビジョン1において、オハイオ大学やマイアミ大学と同じミッドアメリカンカンファレンス(MAC)に所属している。今シーズンのこれまでの成績は、2勝6敗。著名なNBAプレーヤーが在籍した過去はないものの、現在ウェスタンカンファレンスで首位を走るフェニックス・サンズのアブデル・ネイダーは、アイオワ州立大学転校前にこのノーザンイリノイ大学で活躍していた。
 
 バスケットボール漫画の金字塔『スラムダンク』の作者、井上雄彦が創設した「スラムダンク奨学金」は、未来あるプレーヤーをアメリカのプレップスクールに派遣してきた。一期生は琉球ゴールデンキングスが誇るファンタジスタの並里成で、その後も数々のBリーガーを輩出。しかし、未だNBA行きの切符を手にした選手はおらず、須藤にはその第一号になることが期待されている。

 果たして、須藤はこのままハスキーズへのコミットを発表するのだろうか。今後のアナウンスにも注目が集まる。

 文=Meiji

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