2019.10.29
8月31日(土)に開幕する「FIBA ワールドカップ2019」。13年ぶりに出場する日本をはじめ、全32チームが世界一を目指して戦うが、ここではそのワールドカップの歩みや日本の戦いぶりを振り返ってみたい。
第1回世界選手権は1950年にアルゼンチンで開催。10チームが参加し、開催国のアルゼンチンが優勝、アメリカは準優勝だった。日本は不出場で、初めて出場するのは1963年大会となる。この1963年大会は、ブラジルのリオデジャネイロで開催されたが、日本の成績は13チーム中13位。続いて出場した1967年大会(ウルグアイ開催)でも13チーム中11位と世界の壁は高かった。
その後、日本はアジアの出場枠を逃し、7大会を不出場。長らく世界大会の舞台から離れてしまう。それでも、1998年大会には自力で31年ぶりの出場権を獲得。当時のメンバーには折茂武彦(レバンガ北海道)、佐古賢一(日本代表アシスタントコーチ)、長谷川誠(3x3日本代表アソシエイトコーチ)、佐久本智(JX-ENEOSサンフラワーズコーチ)といった馴染みの名前が並ぶ。だが、大会ではセネガルに勝利したのみで1勝4敗。16チーム中14位に終わった。
そして8年後、初の日本開催となった2006年大会に出場。同大会では、札幌、仙台、浜松、広島の4地域で予選ラウンドが行われ、予選を突破した猛者たちが埼玉県のさいたまスーパーアリーナに集結した。日本はというと、残念ながら6チーム間で行われた予選ラウンドで1勝5敗。パナマに勝利したが、ニュージーランド戦では前半18点のリードを奪ったものの後半に逆転負け。これが大きく響き、ぎりぎりのところで決勝トーナメント進出を逃した。
この時のメンバーには8年前に続いて出場の折茂、そして五十嵐圭、柏木真介(新潟アルビレックスBB)、桜井良太(レバンガ北海道)、川村卓也(シーホース三河)、竹内公輔(宇都宮ブレックス)、竹内譲次(アルバルク東京)と現在でもBリーグで活躍している選手たちがいる。
日本が出場した2006年大会、予選ラウンドで対戦したチームにはダーク・ノビツキー(元ダラス・マーベリックス)を擁するドイツにパウ・ガソル(ポートランド・トレイルブレイザーズ)、マルク・ガソル(トロント・ラプターズ)らを中心としたスペインがおり、NBAプレーヤーたちとも対戦。他にも対戦こそなかったが、大会得点王のヤオ・ミン(中国/元ヒューストン・ロケッツ)やマヌ・ジノビリ(アルゼンチン/元サンアントニオ・スパーズ)、そしてアメリカはレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)、クリス・ポール(オクラホマシティ・サンダー)といったNBAの中でも第一線で活躍している選手たちが出場した。なお、この大会では準決勝で負傷したパウ・ガソルを欠いた中、ギリシャとの決勝に勝利したスペインが初優勝を遂げている。
優勝は、ここまで17回の開催でアメリカとユーゴスラビアが並んで5回、ソビエト連邦(ロシア)3回、ブラジルが2回にスペイン、アルゼンチンが1回と続く。アメリカが優勝した前回大会は、ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)やカイリー・アービング(ブルックリン・ネッツ)らも出場しており、NBAのトッププレーヤーたちが国の威信を懸けて戦うのがワールドカップの醍醐味の一つと言えるだろう。
出場枠が32に増えた今大会、日本は13年ぶりに出場を決めた。ここまで4回の出場で最高成績は11位と世界を相手に苦しんでいるだけに、久しぶりの世界大会では、八村塁(ワシントン・ウィザーズ)、渡邊雄太(メンフィス・グリズリーズ)らNBAプレーヤーを中心に大暴れしたいところ。いずれにせよ、日本はもちろん、日本以外のチームでもNBAやユーロリーグなどで活躍する選手が集結するワールドカップは、アメリカとてうかうかはしていられない、高レベルの争いが繰り広げられる大会である。
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