2022.12.09

ロシアで逮捕されたグライナーが294日ぶりに釈放…WNBAなどが祝福の声を発信

囚人交換により、約10カ月ぶりに釈放されたグライナー[写真]=Getty Images
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 12月8日(現地時間7日)、ロシアで違法薬物所持と密輸の疑いで逮捕され、禁錮9年の実刑判決が言い渡されていたブリトニー・グライナーが釈放された。

 206センチと長身のグライナーはWNBAのフェニックス・マーキュリーで活躍すると、リオデジャネイロオリンピックと東京オリンピックでは女子アメリカ代表として金メダルを獲得した。

 同選手は今年2月にロシアリーグでプレーするべく入国した際、同国では違法となる大麻成分入りの電子たばこ用カートリッジを所持していた疑いで逮捕。弁護人は裁判で無罪を主張したが認められず、8月5日(現地4日)には実刑判決が下された。しかし今回、武器密輸に関与した罪でアメリカで収監中だったロシアの武器商人ビクトル・ボウト氏との囚人交換により、約10カ月ぶりに釈放され、アラブ首長国連邦(UAE)の空港で2人の身柄が交換された。

 今回の釈放にあたり、アメリカのジョー・バイデン大統領はホワイトハウスで記者団に対し「彼女の身柄は安全で、現在飛行機で帰国の途にある。不当に拘束され、耐え難い状況下で何カ月も勾留された。ブリトニーはまもなく愛する人の腕の中に戻るだろう。彼女は本来そこにいるはずだった」とコメントすると、「難しい決断を下し、世界のあらゆる場所でアメリカ国民を守ることが、大統領としての私の職務だ」と述べた。

 また、グライナーの同性婚によるパートナーであるシェレル・ワトソン氏もホワイトハウスでの会見に出席。「今日、私の家族は一つになりました。しかしご存知のとおり、そうではない多くの家族がいます」とロシアで身柄を拘束されているほかのアメリカ人家族を気遣いつつも、「今は微笑むことにします」と同選手の釈放を喜んだ。

 WNBAのキャシー・エンゲルバートコミッショナーは「この10カ月間、私たちがブリトニー・グライナーのことを思わなかった日はありません。彼女がまもなく家族やWNBAのコミュニティ、彼女の友人たちと再会できることを知り、その思いは喜びと安堵の気持ちへと変わりました。彼女は逆境に置かれながらも、勇気と威厳を持ち続けてきました。WNBAはバイデン政権や彼女の帰還に貢献してくれたすべての人々に最大限の感謝を捧げます。私たちは、ポール・ウィーラン氏をはじめとする不当に拘束されているすべてのアメリカ人が一刻も早く無事に帰国することを望んでいます」と声明を発表した。

 さらに、NBAのアダム・シルバーコミッショナー氏も声明を発表しており、「ブリトニーは想像を絶する状況に耐えねばなりませんでしたが、彼女が家族や友人のもとへ向かっていることを非常にうれしく思っています。私たちはブリトニーの不当な状況に対する注意喚起の努力を惜しまなかったNBAとWNBAのコミュニティのメンバーに感謝します」とコメントしている。

 そのほかにも、SNSではカーメロ・アンソニー(フリーエージェント)が「BG(グライナーの愛称)が帰ってくる! 素晴らしいニュースです」とコメントすると、アメリカ代表としてチームメートだったスー・バード(元シアトル・ストーム)も「BG is Free」と発信するなど、選手や著名人ら多くの人々が祝福の声を挙げている。

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