2016.09.23

勝負の分かれ目はインサイドの攻防。充実補強の栃木相手に、秋田攻撃陣は対抗できるか

2000年より、バスケットボール専門で取材活動中

 栃木ブレックスといえばやはり、日本人として唯一NBAのコートに立った田臥勇太の名が真っ先に挙がるという人がほとんどだろう。その出身校である能代工高(秋田)の先輩にあたる長谷川誠が、HCとして地元チームを率いて乗り込む。

 長谷川HCは、リーグ統一に際して旧NBLチームと旧bjリーグチームの戦力格差を不安視していた。リーグ全体では例年よりも活発な選手移籍で大きな格差は見られないが、ジェフ ギブスや竹内公輔といった大物の獲得に成功した栃木に比べると、秋田ノーザンハピネッツの新加入選手はネームバリュー的にやや劣ると言わざるを得ない。

 しかしながら、田口成浩の爆発的な得点力は相変わらず脅威。大黒柱が躍動した時の秋田の怒とうの攻撃は手がつけられない。点取り屋リチャード ロビーの穴もケビン パルマー獲得で埋まり、同じく新戦力の白濱僚祐安藤誓哉がフィットすれば簡単には止められないチームになる。

 栃木としては、秋田に主導権を握られないよう攻守両面でギブスや竹内がインサイドを支配したいところ。その上で古川孝敏渡邉裕規のアウトサイドシュートが効果的に決まれば、栃木のペースで試合を進めることができる。もちろん、田臥のゲームメイクも必要不可欠だ。秋田は、身体能力の高いディショーン スティーブンスのインサイドでの働きと、同じくインサイドの谷口大智の成長が望まれる。プレシーズンの東北カップで優勝した良いムードのまま開幕を迎えたい。

文=吉川哲彦

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