2024.05.28
レギュラーシーズン上位8チームによる「日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2023-24」がいよいよ幕を開ける。本稿ではチャンピオンシップの出場チームを紹介。6チーム目はBリーグ開幕から全7大会連続7度目の出場となる千葉ジェッツをピックアップする。
B1史上最高勝率(53勝7敗)をマークし、リーグ準優勝となった昨シーズンから一転、今シーズンは苦しみから開放されることなくワイルドカード2位(35勝25敗)と、薄氷を踏む思いでのポストシーズン進出となった。
ジョン・ムーニー以外の外国籍がすべて入れ替わり、帰化選手のギャビン・エドワーズも移籍してしまった中で、11月下旬には新外国籍のジャスティン・マッツの契約を早くも解除し、オーストラリア代表でNBA経験のあるゼイビア・クックスが加入。3月には昨シーズンまで在籍したクリストファー・スミスを加入させるなど、選手の出入りが激しかった。
さらには、昨シーズンのベスト5に輝いた原修太が足首や手の手術で欠場するほか、コンディショニングでも苦戦を強いられた。東アジアスーパーリーグ(EASL)の試合も並行してこなさねばならず、まとまった練習時間の確保ができずになかなかチーム力を上げられなかった。
開幕節の長崎ヴェルカとの2連戦を含め、2023年内だけで5度の連敗を喫するなど波に乗れない千葉Jは、カレンダーが2024年となると、原の復帰などもあって物事が好転し12連勝を記録。さらに3月にはEASLと天皇杯と、2週連続でタイトルを獲得するなど本来の力を示した。ところが、4月上旬と下旬にそれぞれ3連敗。なんとかCSへの切符は手にしたものの、下馬評は下がってしまった。
チームとしての各数字も昨シーズンから軒並み落ちている。とりわけ平均失点は前年の74.8点から81.7点となっており、チームの肝であるディフェンスが弱体化したことが見て取れる。
そのため、富樫勇樹の出場時間やシュート試投数などが昨シーズンよりも増加し、負担過多となった感は否めない。4月下旬に完敗を喫した宇都宮ブレックス戦では、富樫が試合中にフラストレーションを隠せない場面もあった。これほど重たい雰囲気の中でチャンピオンシップを迎えるのは初めてと言っていい。
昨夏の「FIBAワールドカップ2023」では日本を相手に10本のオフェンスリバウンドを奪い24得点するなど強い印象を残した選手だが、シーズン途中加入だったこともあり、システムにはまるのに苦戦した様子だった。
だが、時間が経過にするにつれ徐々に力量を発揮。3月以降はリーグ戦で20得点以上の試合を11度記録するなど、より中心的な存在となっている。
3ポイントはほとんど打たないものの、ドリブルやドライブインの技量を持ち、通常のパワーフォワードのみならずスモールフォワード的な役割をこなすこともでき、チーム戦術に幅をもたせ、かつ富樫の負担軽減ができる。ESASLファイナルフォーでも勝利に大きく寄与し、短期決戦での勝負強さを示している。
文=永塚和志
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