2019.04.15
3月16日に川崎市とどろきアリーナで行われた川崎ブレイブサンダースとのB1リーグ第23節1戦目で、滋賀レイクスターズは60-83の完敗を喫した。大型連敗を脱した後も、接戦には持ちこんでもあと一歩及ばない試合があり、波に乗れない状態だ。今後の巻き返しに向け、帰化選手として貴重な役割を受け持つファイサンバは当然ながらキーマンの一人。ケガで欠場していた間にチームは低迷したが、復帰した第20節の大阪エヴェッサ戦1戦目で24得点を挙げてチームを引っ張り、翌日、滋賀は連敗を「12」で止めた。
古巣でもある川崎との対戦、それもとどろきアリーナへの凱旋となるこの試合を「何よりも楽しみにしていた」というサンバ。積極的にシュートを狙い11得点を挙げたが、チーム全体として相手ディフェンスのプレッシャーに負けてしまい、勝利という結果には結びつかなかった。
「もうちょっとポストアップも狙いたかったんですが、自分たちのオフェンスの流れでうまくボールが入らなかった。リバウンドもやられたので、それがこの試合の差になったと思います。ケガのことを忘れてプレーに集中するのがまだ難しいです」
今季は前節までに出場した36試合のうち35試合でスターターを務めたが、この日はジョシュ・デービスとのマッチアップを考慮したショーン・デニスヘッドコーチが先発にベンキー・ジョイスを起用したことで、実に第4節以来となるベンチスタートとなった。しかしサンバ自身はそれをネガティブに考えず、「いつ出ても自分の仕事ができるようにしているので、それは気にしていないです」と自身の役割を果たすことだけを意識しているという。母国セネガルから留学生として来日し、日本でのプレー歴が10年を超えるサンバは、チームのことを第一に考える日本人的なメンタリティーの持ち主だ。
滋賀といえば思い出されるのが、残留プレーオフ圏内に沈んでいた昨季終盤に驚異的な力を発揮し、自力でB1残留を勝ち取ったこと。その大躍進の一端を担ったサンバは、同じように瀬戸際に立たされている今季も決して下を向いていない。
「みんなで声をかけ合ってポジティブな考えでやっていけば、行きたいところには絶対に行ける。諦めない気持ちで練習も自主練もやっていけば必ずいい結果につながると思います。シーズンはまだ終わっていないし、勝てそうなところまでいっている試合もあるから、そういう試合も勝てる日が来ることを信じてやっています」
文=吉川哲彦
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