2018.03.30

激戦区で首位を守り続けるアルバルク東京、原動力は随所に光る田中大貴の勝負強さ

田中はエースとして、勝負どころでの活躍が求められる[写真]=B.LEAGUE
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 3月28日に行われたB1リーグ第25節、アルバルク東京は栃木ブレックスとの接戦を演じるも、最終的に12点差をつけて勝利を収めた。

 この試合、計90得点を奪ったA東京の攻撃をけん引したのは、ともに両チーム最多となる20得点を挙げた田中大貴竹内譲次。しかし、「今日はシュートタッチが良かった」(竹内)、「もっと安定したパフォーマンスができるようにしたい」(田中)と試合後のコメントは対照的だった。

 確かに田中は2ポイントこそ8本中5本沈めたが、3ポイントは6本打って成功は2本、フリースローも2本落とし確率は高くない。ましてや1人で30点以上を稼ぐことも可能なエースであり、決して自身が納得する結果ではないだろう。とはいえ、この試合で栃木を突き放した場面では、やはり田中の存在があり、その勝負強さを改めて見せつけられた。

 39-39で始まった後半の立ちあがり、田中がスクリーンプレーでの駆け引きに勝ち、ドライブからのレイアップと3ポイントをマーク。直後には立て続けに菊地祥平、竹内の得点をお膳立てし10点のリードを作った。6点差に追いあげられた試合終了残り4分31秒からは、2本目の3ポイントとドライブから落ち着いてフリーのザック・バランスキーへパスを配給して連続3ポイントを演出。試合を決定づけた小島元基のジャンプショットも起点は田中だった。

「もっと安定したパフォーマンスができるようにしたい」と口にしたが、この日もチームを勝利へ導いた[写真]=B.LEAGUE

 前半は5得点にとどまったものの、後半で15得点4アシストをマーク。「やはり勝負どころは、しっかりと見極めなければいけない。大事な場面ではボールを預けてくれますし、(そこでの)それぞれの役割というのがだんだん浸透してきていると思います。今日の試合だと、ザックの3ポイントや元基のシュートとか。そこはクリエイトする側としてもすごく信頼してますし、自分は絶対ノーマークで打つシュートの方が確率が高いと思っているので」と田中は胸を張る。

 自身のシュートに関しては「前半は入ってなかったですけど、そこでやめるんじゃなく、1試合とおして積極的に行こうとは思ってました。それがいつかはいい方向に行くと自分の中で信じていました」と話し、「自分が積極性を失うと(チームの)オフェンスもちょっと止まってしまうと思うので、そこはどの試合でもどんな状況でもやりとおしたい」と意欲を示した。

 2位以下に迫られながらも、激戦の東地区で首位を守り続けるA東京。チームのエースは今後もタフな試合を覚悟している。

「この先もきれいに勝てるとは思っていない。なので、今日みたいにしっかりがんばって『結果的に1点でも勝っていれば』というゲームをしていきたい。もちろん後ろを見れば詰まってきていますけど、それよりも、もっと目の前のことを一つずつやって、次に来る試合に勝てば順位が変わることはないので、しっかり目の前のことをこなしていきたい」

文=小沼克年

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