2018.05.12

タイトルに飢えるアルバルク東京、リーグ制覇のカギは紛れもなく田中大貴/チャンピオンシップ特集

東地区2位で終え、チャンピオンシップホーム開催権を手にしたA東京[写真]=B.LEAGUE
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5月12日から、レギュラーシーズンを勝ち抜いた8クラブによるBリーグ王座を懸けた激闘、「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017-18」が幕を開ける。そこでバスケットボールキングでは、よりチャンピオンシップを楽しんでもらえるよう、さまざまな企画を用意。ここでは同メディアで活動してくれているライター陣とともに、今シーズンにおける各クラブの振り返り、チャンピオンシップに向けての展望を紹介する。

「様変わりした“タレント軍団”、40分間ハードワークで悲願のタイトルを狙う」

 今季のアルバルク東京は、昨季の伊藤拓摩氏に代わりルカ・パヴィチェヴィッチ氏がヘッドコーチに就任。選手では日本代表でも活躍するルーキーの馬場雄大秋田ノーザンハピネッツから期限付き移籍で加入した安藤誓哉、3名の外国籍選手も入れ替えるなど、指揮官を含め計8名が新加入してスタートを切った。インテンシティ(激しさ)の高いディフェンスとピック&ロールからのオフェンスを基盤とするスタイルで、シーズン開幕前に行われた「B.LEAGUE KANTO EARLY CUP 2017」ですぐさま結果を残し、リーグ2年目のレギュラーシーズンを迎えた。

 大阪エヴェッサとの開幕戦に勝利すると、その後も順調に白星を重ね続けた。ケガ人や日本代表活動などベストメンバーで臨めない試合が続いたものの、ザック・バランスキージャワッド・ウィリアムズらのユーティリティプレーヤーの活躍、リーグナンバーワンとも呼ばれるハードな練習で全員が鍛えられ、強豪ぞろいの東地区をけん引。第20節第2戦の千葉ジェッツ戦からは3連敗となったが、3月30日の第26節第1戦までは地区1位をキープし続けた。しかし、続く49試合目で川崎ブレイブサンダースに敗れて今シーズン13敗目を喫すると、ここまでしぶとく並走されていた千葉に地区首位の座を奪われてしまった。その後も首位返り咲きのチャンスはあったものの、第4クォーターでオフェンスに急ブレーキがかかって勝てる試合を落とすなど、4月は計8試合で3つの黒星。結局、首位再浮上はならず、2季連続となる東地区2位でレギュラーシーズンを終えた。

ルカHCの下、40分間激しく戦うクラブとなったA東京[写真]=B.LEAGUE

 それでも、最後は相手を60点台に抑える自慢のディフェンス、最終戦で今季最多の106得点をマークするなど4連勝で締め「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017-18」ホーム開催権を獲得。すぐ後ろに迫っていた川崎を振りきったという点においても、いい流れで本戦を迎えられると言っていいだろう。また、ルカHCはシーズン終盤のまだ地区優勝の可能性があった中でも「我々は東地区2位でチャンピオンシップに出場すると思う」と話していた。田中大貴も「レギュラーシーズンとチャンピオンシップは全くの別物」と口にしており、チームは最終節を前に、すでに標準は東地区優勝からリーグ制覇に切り替わっていたとも考えられる。

 新加入が多い分、初めてこの大舞台に挑むという選手が多いことも事実だが、不安要素を抱える京都ハンナリーズをホームでねじ伏せることができれば、一気に波に乗ることも可能。そのキーマンはスーパールーキーの馬場でもなければ、チーム得点王のアレックス・カークでもない。やはりエースに君臨する田中だ。田中が入団以降、A東京はアーリーカップを除けばタイトルをつかめずにいる。田中としても“タレント軍団”の面目を保つためにも、是が非でもチャンピオントロフィーを掲げたいところだろう。今季はアシスト役に回ることが多いクールなエースだが、チームを悲願の優勝へ導くため、殻を破って大暴れする姿もチャンピオンシップで見てみたいものだ。

文=小沼克年

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