2018.05.07
ゴールデンウィークの最終日、各地でBリーグ第32節が開催され、アリーナ立川立飛ではアルバルク東京vs京都ハンナリーズのレギュラーシーズン最終戦が行われた。昨日、A東京が勝利したことにより、「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017-18」初戦で京都との対戦が確定したこのカード、今週末にも顔を合わせるだけに様々な思惑が交錯する試合展開となった。
京都は、昨日15得点15リバウンドを挙げたマーカス・ダブが故障によりコートに入れない状況の中、オンザコート「0」の時間帯も強いられた。しかし、試合開始早々、岡田優介が2本連続で3ポイントシュートを決めたのを皮切りに、このクォーターだけで実に7本の試投のうち5本インという高いシュート確率を見せた。A東京は安藤誓哉がスティールからの速攻がバスケットカウントとなり、ボーナススローを決めて一旦は逆転に成功するが、京都が食らいつき一進一退の展開となる。第1クォーター終盤は京都が繰りだしたゾーンディフェンスにA東京の得点ペースが落ちると、ポイントガードのポジションに入ったジュリアン・マブンガが6連続得点を決め、24-20とリードを奪った。
第2クォーター開始までのインターバルの間、A東京のルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチが「24得点取られるのはうちのスタイルではない。最後まで正しくプレーをしなさい」と指示を与えたという。チームはそれに呼応するように持ち前の激しいディフェンスが機能し、京都のオフェンスをことごとく跳ね返すようになる。このクォーター、京都に決められたフィールドゴールは2本のみ。あとはフリースローを4本決められただけで、9得点に抑え込む。攻めては誰かに偏らないバランスのいい得点でペースアップ。前半を45-33で折り返した。
後半に入ってもA東京の猛攻は止まらない。前半は機能していた京都のゾーンディフェンスも、A東京は早いパス回しでノーマークを作り、それを確実に決めていった。特にゾーンに入ったかのような活躍を見せたのがザック・バランスキー。後半だけで4本の3ポイントを決め、終わってみればチーム最多の20得点をゲットしていた。
A東京はゴール下でも確実に得点を重ねた。試合を通じてリバウンドはA東京の40本に対して京都は19本。ペイントエリア内での得点はA東京の42に対して京都は18と、完全に制空権を握る。後半だけのスコアは60−35と京都を圧倒。アリーナ立川立飛で行われたホームゲームでは最多のなる3221名の観客の前で、今シーズン最多の106点をあげ、レギュラーシーズンを終了させた。
試合後、記者会見に臨んだルカHCは、「京都との最終節は準備してきたものをしっかりと出してくれた」と、満足した表情を浮かべた。「しかし、レギュラーシーズンが終われば、全く新しいステージが待っている。チャンピオンシップに向けてしっかりと準備をしたい」と、すでに来週に迫った大切な一戦に気持ちを切り替えていた。
敗れた京都の浜口炎ヘッドコーチは「この2日間、チャンピオンシップで戦うこのアリーナの雰囲気を感じられたのは良かったと思う」と、淡々と試合を振り返った。そして「昨シーズンはチャンピオンシップに出られなかったので、チャンピオンシップ出場で今シーズンの目標の1つを達成できたと思う。最初の2カ月はメンバーがそろわない中で選手はよくやってくれたと思う。選手には『レギュラーシーズンの60試合が終われば横一線。ここからリセットして何とか1勝したい」と、こちらもすでに視線はチャンピオンシップに向けられていた。
両HCが語ったように、チャンピオンシップになればそれぞれの戦い方は違ってくるもの。今週末に行われる「B.LEAGUE QUARTERFINALS 2017-18」はどのような戦いとなるのだろうか。持ち前の激しいディフェンスを軸とするA東京に対して、浜口HCが繰りだす戦術にも注目したい。
文=入江美紀雄
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