2017.11.18
11月15日、トヨタ府中スポーツセンターで、7歳の人形櫂世(ひとかた かいせい)くんのアルバルク東京入団式が行われた。櫂世くんは長期療養を必要とするお子さんで、NPO法人『Being ALIVE Japan』が日本財団、『B.LEAGUE Hope』と協働で実現した『TEAMMATES事業』の一環で、アルバルク東京の一員となった。
『B.LEAGUE Hope』は地球環境、防災、平和、健康、働き方などの様々な社会問題に対して、Bリーグが持つ「スポーツの力」を活かし、クラブや選手、パートナー企業や自治体、ファンとともに、いろいろな形で取り組み向き合っていこうというもの。また、『B.LEAGUE Hope』との協業で立ち上がった新事業『TEAMMATES事業』は、長期療養を必要とする子どもがスポーツチームの一員として所属し、多くの成功体験や達成感、感動をチームメートや友人と共有することで、社会参加の促進及び復学を支援することを目的としている。
練習や試合で選手やスタッフをサポートする“チームメート”として、この日A東京との契約にサインをした櫂世くんは、約4カ月間チームに所属し、2週に1度の割合で練習に参加するほか、試合にも同行してスタッフのサポートに当たることとなる。このような社会貢献活動は単発的に行われることはあるものの、数カ月の長きにわたり実施されるのは国内初で、世界的にも稀有な試みとなる。
櫂世くんを迎えたA東京の林邦彦社長は「ぜひ、悲願の優勝に櫂世くんに大きな貢献をしてもらい、この4カ月を人生の中で大きな意味を持つ経験としてほしい」と歓迎の言葉を述べ、ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは「選手たちもゲームに勝つために努力をしている。櫂世くんにもしっかりとサポートをしてほしい」と笑顔で語った。
また、契約書へのサインを見届けた正中岳城キャプテンは「ルカHCはリーグの中で、一番厳しいコーチです。サインをした後でこんなことを言うのは何ですが……」と笑わせると、「櫂世くんと一緒に大きな勝利に進んでいきたい。一つひとつ乗り越えて、前に進んでいきましょう」と力強く語った。
7歳ながら、入団式に落ち着いて臨んだ櫂世くんは、優しくも屈強な大男たちに囲まれても終始笑顔を絶やさずに堂々とした姿を見せた。また、チームの集合写真やアレックス・カークとの始球式に応じると、自己紹介では「カイでもいいし、カイセイでもいいです」と自身の呼び名について語り、手渡されたユニフォームの“14”について、生まれた日にちなんでのことだと笑顔で答えた。
日本のバスケットボールが強くなるために、日本のバスケットボールがもっと人気がでるようにという「スポーツ界の発展」という狭い意義に捕らわれず、スポーツの力を活用した社会貢献の好例となれば、Bリーグ、A東京の果たす役割としても大きな意味を持つ。これから4カ月、櫂世くんがチームメートとして素晴らしい経験を積み、そこで培われた財産が、地域社会に広がっていくことに期待したい。
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