2020.01.22
「取材、観光、帰郷という3点セットで1週間くらい滞在する予定をすでに考えている。ぜひ、皆さんも来シーズンの北海道は長期での滞在をオススメしたい」と、昨シーズンのオールスター体験記で書いてから早1年、ついにその時がやって来た。
「B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2020 IN HOKKAIDO」の取材のため、そして北海道石狩市にある実家へ5年振りに帰るため…1月15日の早朝、上野駅の新幹線ホームに自分は立っていた。なぜ陸路で帰るのか、実は飛行機の揺れが本当に苦手である自分は、陸路で行けるなら行くという選択をいつもしている。今回は人生初の北海道新幹線と特急スーパー北斗で約9時間強の実家までの旅だった。
実家に到着して驚いたのは北海道に雪が無いということ。例年この時期は既に2メートル弱の積雪があったりするが、1メートルも積雪がない。その日は夕方から雪が降り始めて冬を感じることができたが、実は道路にはアスファルトが見えるという異例の冬だということを伝えておきたい。お陰で持っていったブーツは一切使用せずにスニーカーで過ごすことができた。
雪かきに犬の散歩など少し実家での仕事をしつつ、1月17日はオールスターゲーム前日ということで、まずは北の玄関口「新千歳空港」で行われるTIP OFFイベントへ向かった。スタート1時間前から多くのファン・ブースターで埋まっている状況。開始前、いろいろと取材しているとたまたま空港に来ていたオーストラリア人に「何やっているの?」と英語で聞かれ、笑顔で「日本のBリーグというバスケのプロリーグのオールスターイベントだよ」と答えると「WOW!!! I love LeBron!!!」と謎のテンションで言葉を返されたのを覚えている。選手たちはリラックスした表情でイベントに登場、インタビューや抽選会などが行われた。空港にたまたま居た人たちが「バスケだ!」や「あの人日本代表だよね?」と驚きを持ちながらイベントを観ている様子に、自分自身「バスケもたくさんの人に知られるようになったなぁ」と少し感慨深くなった。
イベント後は、選手たちはすぐさまバスで移動。真駒内駅近くにある、「B.LEAGUE HOPE」ユニファイドスポーツフェスタが行われる札幌市南区にある市立札幌みなみの杜高等支援学校へ向かい、学校見学の後に子どもたちと一緒にスポーツを通じて交流した。実はその学校見学で案内をしてくれた片山里絵子先生は、チケットがないにもかかわらず昨シーズンのオールスターゲームを見に富山に向かい、現地でのパブリックビューイングに参加したほど、大のBリーグファン。「レバンガ大好き、そして折茂(武彦)選手と桜井(良太)選手が大好き」など少しバスケの話で盛り上がった。子どもたちがキラキラした目で選手たちと楽しんでいるのを見て、自分自身も一緒にやりたいなと正直思った。
その日の夜はジンギスカンとラーメンを堪能、選手たちもよく行く焼肉店「ヤマダモンゴル」にも行きました。久しぶりの北海道飯を堪能して、締めのラーメンまで。東京もいいけど、やはり本場の味は最高に旨い!
そして、1月18日のオールスターゲーム当日を迎える。14時にアリーナ入りだったので、その前に時間のある限り観光名所を回ろうと決断して、青空が広がる札幌市内を歩いて移動。「テレビ塔→時計台→赤レンガ」と、こちらも久しぶりの定番スポットを回った。北海道にはたくさん名所があるけど、ぜひこの3つは確実に行ってほしい。その後は札幌駅まで歩いて移動、こちらもフォトスポットなので抑えなくてはいけない。そのまま地下に行き、札幌駅地下歩行空間「チ・カ・ホ」を通って地下鉄東豊線の大通駅まで歩く。もうオールスターゲーム一色、かなり広い場所ではあるが、その光景を見てテンションが上がった。地下鉄に乗って降り立ったのは豊平公園駅、そこでも各所に装飾が施されており、来場する者の気分を上げさせていた。豊平公園駅は、会場となった「北海きたえーる」までストレートに行ける立地。雨にも雪にも当たる事なく、ストレスフリーでアリーナまで行けるのは最高だった。
会場到着後は、コンテストが始まるまで初めてのアリーナを色々と探索。やはりここは北海道グルメを堪能しようと、列に並んで本場の味を楽しんだ。「夕張メロンソーダ」という夕張メロンを凍らせてソーダに入れて一緒に堪能するドリンクは最高においしかった! そして、この日からスタートした「B.LEAGUE × GLOBAL WORK」のTシャツを見つける。最高にクールなデザインばかりなので、ぜひ購入してほしいと感じた。
北海きたえーるは、横に長く想像以上に広いアリーナだった。取材のために移動する時も全て60パーセントくらいのダッシュを行うほど。あとで確認すると、この日歩いた歩数は25000歩を超えていた。
コンテストから北海道の選手たちがアリーナを盛り上げて沸かせる。スキルチャレンジでの多嶋朝飛と桜井良太のスタートダッシュはコンテストを面白くさせて、その多嶋は地元でチャンピオンに輝いた。3ポイントコンテストでは、折茂がディフェンディングチャンピオンの金丸晃輔(シーホース三河)が出てくる前にトップに立った。でも、なんといっても一番は、アップの際の場内アナウンスを担当した比江島慎(宇都宮ブレックス)。普段は勝負所で結果を残している男がこの場面では「もうすこしがんばりましょう」と落第点を押された。カミカミのアナウンス、なかなか見られない光景だっただろう。
今回、選手入場は川崎ブレイブサンダースの選手がすべて持っていった。欠場した篠山竜青の魂を受け継いだ藤井祐眞が、カニと篠山とビデオ通話中のタブレットを両手に入場してくれば、大塚裕土は自身が就任している「北海道名寄市観光大使」のタスキを掛けて花を持って入場して、一夜限りの「王子」として復活。今回の助演男優賞はこの2人で決まりだろう。
TIP OFFされると試合はやはり「折茂のためのオールスター」という雰囲気は漂っていたが、「すべて1on1を仕掛けます」と言っていた富樫勇樹(千葉ジェッツ)が逆にポストアップでの1on1を仕掛けられ続け、新旧横浜司令塔対決となった田渡凌(横浜ビー・コルセアーズ)と細谷将司(秋田ノーザンハピネッツ)の真剣マップアップ、そしてライアン・ロシター(宇都宮ブレックス)によるオールスターゲーム史上初のトリプルダブルなど、取材ノートで普段の倍以上のページ数を使うくらい見所満載のゲームだったのは間違いない。
B.WHITEは禁断のオールコートプレスディフェンスを見せて、B.BLACKのルカ・パヴィチェビッチヘッドコーチは普段同様に激昂した瞬間があったなど、コーチ陣も楽しい1日になったであろう。MVPをしっかり獲得して100万円を手に入れた折茂がゲーム後にどんな形ですべて使ったか。非常に気になるが、それはいつか本人に直接聞いてみたい。
自分自身の生まれ故郷でオールスターゲームという夢の祭典が開かれたのは、個人的に本当にうれしかった。実は家族や友人もチケットを購入して観に来てくれたのも、本当に感慨深い気分になった。少し疲労が溜まりながらも、この日も食べたのはジンギスカン。やはり旨い! 翌日からは再び原稿を書きながらも家族との時間を大切にして、やっと新鮮な魚にもあり付け、5年ぶりの故郷で最高の8日間を過ごせた。折茂と同様に「北海道、ありがとう」の気持ちでしかない。
来シーズンは一気に日本を縦断して沖縄県沖縄市での開催、もう沖縄といえば楽しいことがたくさん詰まっている街だ。石垣牛や沖縄そばなど食で沖縄を堪能して、趣味のゴルフもラウンドしたいなんてことをすでに考えている。来シーズンも1週間の滞在が確実に実現しそうな気がして来た。さぁ、沖縄に行く準備をしよう!
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