2025.07.28

越谷と山形に規約違反で制裁処分…島田チェアマン「透明性をもって再発防止に取り組む」

Bリーグ、島田慎二チェアマン [写真]=B.LEAGUE
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 Bリーグは7月28日、越谷アルファーズおよび山形ワイヴァンズによる規約違反に関する制裁を発表し、同時に記者会見を開催。島田慎二チェアマンが出席し、処分の経緯と今後の対応について説明した。

 今回発表された2件の事案はいずれもコーチによるハラスメント行為であり、リーグは当該クラブとコーチに対して処分を科すとともに、今後の再発防止に向けた方針を明確にした。

 越谷では、安齋竜三ヘッドコーチが選手に対して「死ね」「クソが」などの暴言や、ロッカールームで詰め寄るといった威圧的言動を繰り返していたことが確認されており、複数の選手が心身の不調を訴えた。島田チェアマンは「選手の競技人生にも影響を与えうる深刻な内容」と指摘。処分が「軽すぎるのでは」とする記者の指摘に対しては、「処分は裁定委員会の過去事例と照らして決定したもの。3カ月間の活動停止は職業上の影響も大きい」と理解を求めた。来シーズンが開幕すれば指揮がすぐにとれるのではという問いには、「開幕前の3カ月のこの時期はチームの構築において非常に重要なフェーズ。実質的には今季のチームビルディングに関与できない」と強調。処分後の復帰にあたっても、再教育やモニタリングを義務付ける体制を敷いていると説明した。

 一方、山形の事案ではアシスタントコーチがチームスタッフに対して暴言や暴力を加えたことが問題となったが、当該コーチはすでに契約を解除されており、リーグとして直接処分を科すことはできなかった。「辞め得では」との指摘には、島田チェアマンが「クラブを離れた人物が再び現場に戻る際には、リーグが事前に面談し、必要に応じて復帰を制限する。透明性とチェック機能を持って対応する」と明言した。

 また、日本バスケットボール協会(JBA)とも連携し、ライセンスの停止などの措置が必要かどうかの検討も進めている。特に、ミニバス、中学、高校の部活動やクラブチームといった育成年代への再就職リスクに関しては「情報の通達を行っており、簡単には現場復帰できない体制を取っている」と説明。業界全体でのハラスメント再発防止に向けた枠組みを整えていく方針を示した。

 島田チェアマンは、「Bリーグは『ハラスメントゼロリーグ』を掲げてきた。今回のような事案が再び起きないよう、透明性を持って断固たる対応を続けていく」と語り、信頼回復への取り組みに強い覚悟をにじませた。

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