2025.10.04
10月3日、B1リーグの開幕戦「アルバルク東京vs宇都宮ブレックス」を前に、Bリーグの島田慎二チェアマンが報道陣の取材に応じ、リーグ10周年を迎えた今シーズンへの思いや課題を語った。
島田チェアマンは「早いもので10シーズン。現行レギュレーション最後の年であり、来シーズンからはB.革新が始まる。シンボリックな変化があるわけではないが、前年を超えることが大事だ」と言及。入場者数や事業規模の拡大に加え、代表強化に貢献できる“強度の高いシーズン”を目指す考えを明らかにした。
今シーズンはNBA経験者を含む外国籍選手の加入も注目されている。島田チェアマンは「年々素晴らしい選手が来ており、リーグはグローバル化に近づいている」と述べた。その上で、「ゲームの場面でのマッチアップはもちろんだが、むしろ日々の練習において日本人選手が得るものは大きい」と説明した。
「体のケアや食事管理、トレーニングの姿勢、練習への準備と集中力など、プレー以外の部分でも学ぶことが多い。プロとしての姿勢を目の当たりにすることで、日本の若手も精神的に成長し、世界基準のプロ意識を身につけるチャンスになっている」と述べ、リーグ全体に広がる効果に言及した。
さらに「ハイレベルな選手が加わることは、試合の質を高めるだけでなく、日本人選手が国際舞台で戦う力を培うことにも直結する。彼らと肩を並べる経験を通じて、世界の強豪相手にも臆せず挑む姿勢が育つ」と語り、日本代表の強化につながる視点を示した。
「ワールドカップ予選やアジアカップ予選、さらにワールドカップ本大会やオリンピックといった舞台で成果を出すためには、リーグのレベルを上げ続けることが欠かせない。Bリーグの競技力向上は、そのまま代表の競争力に直結する。クラブとリーグ、そして代表が一体となって成長していけるシーズンにしたい」とまとめ、外国籍選手の存在が日本バスケットボールの未来において重要な位置を占めているとの考えを述べた。
また、開幕の舞台となるTOYOTA ARENA TOKYOについては「沖縄アリーナに続き、東京にこれだけの施設ができたのは大きい。名古屋にもIGアリーナが誕生し、全国でアリーナ建設が進む流れをさらに加速させたい」と語り、施設整備がリーグの成長を支えるとの見方を示した。
リーグ10年を振り返る場面もあり、「二つのリーグが一つになり、コロナ禍でどん底を経験しながら復活してきた。この数年の流れを安定した成長に変え、次の10年につなげたい」と総括。開幕戦については「昨シーズンの王者であり最多優勝3回を誇る宇都宮と、優勝回数では宇都宮を追い、唯一連覇を達成しているA東京の対決と素晴らしいカード」と期待を寄せた。
さらに課題として集客問題も挙げ、「特効薬はなく、クラブの営業努力に尽きる。Bリーグは平均観客数やアリーナ基準を昇降格条件とし、必死に取り組む仕組みを作ってきた。私の役割はリーグ全体の価値を高め、クラブの努力を後押しすること」と説明した。
最後に東京での大規模アリーナ誕生について「地方も首都圏もそれぞれの形でリーグを引っ張ってきた。アルバルク東京は企業クラブからプロ化を進め、このアリーナでさらに発展する可能性がある。代表戦の誘致にも活用でき、国内外への存在感を発揮していくだろう」と述べ、Bリーグの未来を見据えた。
文=入江美紀雄
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