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県立石川の神谷レイラ美和奈、堂々の全国デビュー…先発抜擢の崎濱コーチも「上出来」と高評価

ウインターカップのコートに初めて立った石川の神谷レイラ美和奈(中央) [写真]=SoftBank ウインターカップ2025
フリーライター

 12月23日、高校バスケの真の日本一を決める「SoftBank ウインターカップ2025 令和7年度 第78回全国高等学校バスケットボール選手権大会」が開幕。東京体育館の第1試合には、沖縄県代表の県立石川高校が登場した。

 前回大会は初戦敗退。しかし、今大会は県立富岡東高校(徳島県)との1回戦を最終スコア83-80の僅差で制し、2回戦へコマを進めた。

 試合は9点リードで前半が終了。第3クォーターに入るとターンオーバーから立て続けに失点を許し、65-67で最終クォーターを迎えた。第4クォーターに入っても互いに譲らない展開が続き、試合終了残り3分を切った時点で77-77。残り1分54秒に3ポイントシュートを決められるも、すぐさまボリー アイダ ラソウル(3年)のゴール下で差を詰め、同29秒には新垣璃利子(1年)のジャンプシュートで1点リード。最後はスティールからの速攻が決まると、最後まで相手の攻撃を凌いでみせた。

 指揮官の崎濱秀勝コーチは、ベンチから終始声を張りあげて選手たちを鼓舞し続けた。試合後は「ガードのターンオーバーが多すぎました。富岡東の3年生たちの最後にかける思いもすごかったですね。うちは1、2年生が中心のチームですので、やっぱり心の緩みというか、弱さが出た試合でした」と、若いチームがゆえの課題を口にした。

 この試合でインパクトのある全国デビューを飾った選手がいる。1年生でスタメンを務める神谷レイラ美和奈だ。

 パワーとガッツあふれるプレーが持ち味の神谷は、序盤から得点、リバウンドでチームを引っ張り、前半だけで16得点7リバウンドをマークした。勝負の時間帯では4ファウルでベンチへ退いたものの、試合を通じては約29分の出場で20得点11リバウンドのダブルダブル。勝利の原動力となった。

 県立石川は今夏のインターハイにも出場を果たしている。だが、神谷は12名の登録メンバーに入ることができず、秋の国民スポーツ大会の代表メンバー入りも逃してた。

 崎濱コーチは「まだ1年生なので細かいミスがありました。パワーはあるんですけど入学当初はファウルが多くて、1クォーターで4回くらいしてしまうタイプでしたね」と神谷について述べたが、先発で起用する理由をこう明かした。

「ポテンシャルが高いですし、あまり周りを気にしないというか、良くも悪くも自分の世界に入っていける選手です。1人でバスケットはできませんので、周りの選手が声かけをして今以上にコミュニケーションをとることができればもっといいプレーヤーになると思っています。インターハイも国スポもメンバーに入れませんでしたけど、その悔しさも含めてこの半年でだいぶ成長しました」

 本人は「とても緊張しました。ヤバいです(笑)」と記念すべき全国デビュー戦を初々しく振り返ったが、それでも「気持ちは誰にも負けない」と自身の強みを語り、さらなる向上心をのぞかせた。

「練習してきたプレーやディフェンスはできたと思います。けど、ターンオーバーやいらないファウルが多かったので、明日の試合ではもっとチームに貢献できるようにしたいです」

「デビュー戦にしては上出来じゃないですか」と笑顔を見せた崎濱コーチは、期待のルーキーを「今大会のキーマン」とも位置付けている。

 明日は東京都予選を1位で通過した八雲学園高校と対戦。高いオフェンス力を誇る八雲学園は、英明高校(香川県)との1回戦を94-58で勝利した。

「明日も気持ちで負けないように頑張りたい」。次なる戦いへ決意を示した神谷レイラ美和奈が、再び勝利を呼び込む起爆剤になることを期待したい。

文=小沼克年

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