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1月4日、「第93回天皇杯・第84回皇后杯 全日本バスケットボール選手権大会」のファイナルラウンド(男女準々決勝〜決勝)がさいたまスーパーアリーナで開幕。5日の女子準々決勝第1試合では、大会5連覇を狙う優勝候補筆頭のJX-ENEOSサンフラワーズがトヨタ紡織サンシャインラビッツと対戦した。
JX-ENEOSは第1クォーター、トヨタ紡織の硬いディフェンスと野町紗希子、長部沙梨の奮闘に手を焼き、16-11と今一つ波に乗れない。高さに勝る相手に対し、トヨタ紡織の健闘が光る出足となったが、そこは昨季Wリーグを無敗で制した“女王”JX-ENEOS。第2クォーター出足から渡嘉敷来夢、大崎佑圭、宮澤夕貴らの連続得点で一気に流れを引き寄せると、ディフェンスにおいてもトヨタ紡績をわずか8点に抑えこみ攻守に圧倒。JX-ENEOSはこのクォーター圧巻の試合運びで22-8とすると、前半を終えて38-19のダブルスコアで折り返した。
後半に入ると、JX-ENEOSはバックアップメンバー中心で戦い、主力を温存。それでも、ディフェンスからブレイクというチームのスタイルが確立しているJX-ENEOSは盤石の試合運びを見せ、宮崎早織、山田愛らの早い仕掛け、ルーキーの梅沢カディシャ樹奈の力強いリバウンドなどで、粘るトヨタ紡織を圧倒。結局、JX-ENEOSはファイナルスコア69-44でベスト4へと危なげなく進出した。
渡嘉敷、大崎、宮澤らの攻撃力に注目が集まりやすいJX-ENEOSだが、この試合で目立ったのは、そのディフェンス力。リバウンドからの早い展開を狙うトヨタ紡織を上回るスピードで自陣にハリーバックすると、個々のディフェンスでもタイトに仕掛け、苦しい体勢からのアウトサイドシュートに頼らざるを得ない状況に追い込んだ。シュートタッチが悪く3ポイントシュートが試合を通して11.1パーセントと振るわないJX-ENEOSだったが、その強固で安定したディフェンス力で大会5連覇へ向けて一つ駒を進めた。
この試合で、計20得点19リバウンド3ブロックと攻守に存在感を見せたエースの渡嘉敷は、試合後のミックスゾーンで取材に応じ「これだけ大きな会場で試合をすることはないので、まずは会場に慣れることが重要でした」と初戦の感想を述べると、自身MVPを獲得した昨年大会と比較して「やはり、会場が変わると雰囲気が変わりますね。コンサートで使うような大きなアリーナで自分たちがプレーできることは嬉しいです」と笑顔で応えた。また、5連覇のかかる今大会への意気込みを問われると、「5連覇というよりは、まずは今シーズンの1冠目のタイトルをしっかりと獲りたい」と力強く語った。
文=村上成