2018.11.01
9月18日、テリフィック12第1日の第3試合に千葉ジェッツが登場。中国の広州ロングライオンズと対戦した。千葉のスタート5はマイケル・パーカー、トレイ・ジョーンズ、西村文男、ギャビン・エドワーズ、小野龍猛。広州は以前ゴールデンステート・ウォリアーズに在籍し、2015年にはNBAチャンピオンの一員だったマリース・スペイツが今シーズン加入したことにより、試合前から注目を集めていたがベンチスタートなった。
スタートダッシュに成功したのが広州だった。カイル・フォッグのオープニングショットを皮切りに5分過ぎには18-5とリードを奪い、千葉の大野篤史ヘッドコーチはタイムアウトを申請した。試合後、「試合の出だしがすべてだった」と大野HCとキャプテンの小野が試合後の記者会見で語ったが、千葉はここから素晴らしい粘りを発揮した。
開幕前のこの時期である。“調整”という2文字が頭をよぎり、集中力が切れたとしても誰も責めはしないだろう。その中で千葉の各選手はインテンシティ(プレー強度)を落とさなかった。千葉は何度も2桁までリードを広げられたが、その都度ディフェンスから立て直して、一時は3点差まで広州を追い詰めた。最終的にはリードを縮める場面があった。最終的には83-92で敗れるが、そのプライドは称賛に値する。
いくら離されそうとも決して心を折ることがなく、千葉はあくまでも自分たちのスタイルを貫いた。Bリーグではまずありえないケースだが、サイズ的に千葉が劣っていた。しかし、それであってもパーカーやエドワーズがリバウンドに何度も跳び、そして速攻の先頭を走った。
またローポストの小野にボールが入ると、パス回しがスムーズになるのもいつもの通り。小野はポストプレーからのシュートやアシストでチームにアクセントを刻んでいく。また、最終的には37点を奪われたが、広州のエース、フォッグにアキ・チェンバースと石井講祐が密着マーク。逆に相手の集中力を削ぐ場面もあった。
同席した小野は「ヘッドコーチ同様に出だしがすべてだった」とティップオフ直後のプレーを悔やんだ。「点差を詰めた時にうまくプレーができず逆に開かれてしまった。しかし、チーム全体としてはいいプレーができたと思う」と、一定の評価を与えた。
テリフィック12は予選リーグの1位のみが準決勝に進出することができず。それだけにこの1敗は千葉にとって痛いが、ここで得た収穫はこの後開幕する3シーズン目のBリーグで花を咲かせるはずだ。
文=入江美紀雄
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