2018.09.19

最後まで自分たちのプレーを貫いた千葉。敗れはしたが収穫もあった!

いくら離されてもエドワーズはブロックショットやリバウドに食らいついた[写真]=アジアリーグ
バスケットボールキング編集部

 9月18日、テリフィック12第1日の第3試合に千葉ジェッツが登場。中国の広州ロングライオンズと対戦した。千葉のスタート5はマイケル・パーカートレイ・ジョーンズ西村文男ギャビン・エドワーズ小野龍猛。広州は以前ゴールデンステート・ウォリアーズに在籍し、2015年にはNBAチャンピオンの一員だったマリース・スペイツが今シーズン加入したことにより、試合前から注目を集めていたがベンチスタートなった。

 スタートダッシュに成功したのが広州だった。カイル・フォッグのオープニングショットを皮切りに5分過ぎには18-5とリードを奪い、千葉の大野篤史ヘッドコーチはタイムアウトを申請した。試合後、「試合の出だしがすべてだった」と大野HCとキャプテンの小野が試合後の記者会見で語ったが、千葉はここから素晴らしい粘りを発揮した。

 開幕前のこの時期である。“調整”という2文字が頭をよぎり、集中力が切れたとしても誰も責めはしないだろう。その中で千葉の各選手はインテンシティ(プレー強度)を落とさなかった。千葉は何度も2桁までリードを広げられたが、その都度ディフェンスから立て直して、一時は3点差まで広州を追い詰めた。最終的にはリードを縮める場面があった。最終的には83-92で敗れるが、そのプライドは称賛に値する。

 いくら離されそうとも決して心を折ることがなく、千葉はあくまでも自分たちのスタイルを貫いた。Bリーグではまずありえないケースだが、サイズ的に千葉が劣っていた。しかし、それであってもパーカーやエドワーズがリバウンドに何度も跳び、そして速攻の先頭を走った。

 またローポストの小野にボールが入ると、パス回しがスムーズになるのもいつもの通り。小野はポストプレーからのシュートやアシストでチームにアクセントを刻んでいく。また、最終的には37点を奪われたが、広州のエース、フォッグにアキ・チェンバース石井講祐が密着マーク。逆に相手の集中力を削ぐ場面もあった。

小野にボールを入れるとオフェンスにリズムが出るのはシーズン中と同じだった[写真]=アジアリーグ


 記者会見に臨んだ大野篤史ヘッドコーチは、「練習でやったことしか試合に出ないよ」と声をかけ、チームをコントロールしたという。「ディフェンスがしっかりでき、オフェンスではボールムーブメントが戻ってきたら、対等に試合ができた。収穫と反省があったが、反省を次に生かしたい」と、その表情に失望感はなかった。

 同席した小野は「ヘッドコーチ同様に出だしがすべてだった」とティップオフ直後のプレーを悔やんだ。「点差を詰めた時にうまくプレーができず逆に開かれてしまった。しかし、チーム全体としてはいいプレーができたと思う」と、一定の評価を与えた。

 テリフィック12は予選リーグの1位のみが準決勝に進出することができず。それだけにこの1敗は千葉にとって痛いが、ここで得た収穫はこの後開幕する3シーズン目のBリーグで花を咲かせるはずだ。

文=入江美紀雄

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