2023.09.15
9月14日、都内で『「アダストリア」x「B.LEAGUE」新レフェリーウェア発表会』が行われ、プロレフェリーとして2023-24シーズンに臨む審判員4名が新ウェアに身を包んで登壇。今年8月にJBA公認プロフェッショナルレフェリーとして新たに採用された有澤重行レフェリーは、プロ契約締結に至った経緯を明かした。
現在46歳の有澤レフェリーは、2007年から国内リーグの審判を担当し、同年にFIBAレフェリーライセンスを取得すると、以降はアンダーカテゴリーを中心に世界大会にも参加。今年3月までは山口県の公立高校で教員として働きながら笛を吹いていたが、この度JBAからの誘いを受けて退職し、2023-24シーズンからプロレフェリーとしてBリーグに携わることになった。
当初は「好きな教員を辞めてまですることかということと、不安や心配事もありました」というが、2つの理由からプロレフェリーになることを決断したという。
1つは学生たちと向き合うなかで、膨らんだプロへの気持ち。「今の高校生は1年生の時から『自分の好きなことはなんですか』『適性は何ですか』『将来に向けてどういう準備しなくちゃいけないんですか』という授業をしているんです。好きなバスケットのお仕事でチャンスを頂いた自分が(プロ)契約せずに、生徒へ『自分の好きなことにいけ!』と言うのも、ちょっと思うところがあったりした」と語り、教え子たちへの進路指導がきっかけの1つになったと明かした。
そして、もう1つの理由は、レフェリー人生で培った経験を共有・還元するためのプロ転身。「いままで一緒にやってきた審判員の仲間のなかで、審判に対する考え方とか、取り組み方とか、すごく多様化しているなという印象があります。今後、我々のこの経験を、いまやっている審判の仲間に色々なアドバイスをするためにも、この決断をしてもいいのかなと思っています」と話した。
今夏プロ契約を結んだ有澤レフェリーと阿部聖レフェリーを含め、現在JBA公認プロフェッショナルレフェリーは4名。Bリーグは新フォーマットで開幕する2026-27シーズンまでに、プロレフェリーを10人に増やすことを目標に掲げている。
新ウェア発表会で登壇した島田慎二チェアマンは、「選手としてプロになる夢を諦めた子どもたちが、今後レフェリーとしてバスケットに関わっていきたいということも出てくると思う」と話し、同席した4人のプロレフェリーの存在が日本バスケットボール界にとって重要な存在になると説明した。
有澤レフェリーにとっては心機一転、2023-24シーズンがプロとして臨む初めてのシーズンになる。「Bリーグの場合、審判は1ゲーム3人1組。シーズン中は組み合わせが毎試合変わるので、団体戦の要素がかなりあると思います。連係だとか共有だとか、そういう要素を持っていないと審判は成り立たないと思っていますので、こういう契約をさせてもらったからこそ、審判団でやらなくてはいけないことがあるのではないかと思っています」と、引き締まった表情で意気込みを口にした。
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