2023.11.28

B1リーグで最も効率よくシュートを決めている選手は?/「EFG%」上位5選手を紹介

今シーズン、効率よく得点を挙げている選手は?[写真]=B.LEAGUE
元バスケットボールキング編集部。主に国内バスケ(Bリーグ、高校・大学バスケ)を中心に取材活動中。バスケでオウンゴールしたことあります。

 今シーズンかつてない盛り上がりを見せるB.LEAGUE。コート上ではどんな選手たちが活躍しているのだろうか?昨シーズンからB.LEAGUEの公式サイトに選手たちの細かなスタッツデータが掲載されるようになり、より正確に彼らの活躍が数字として現れるようになった。

 本企画では、そのうちいくつかの指標でリーグ上位にランクインした選手たちをピックアップして紹介する。第3回目で取り上げるのは、「EFG%(3ポイントシュートに1.5倍の比重をかけて補正したフィールドゴール成功率)」で上位にランクインした効率よくシュートを決める名手たちだ。

※第8節終了時点で12試合以上出場している選手が対象

■5位:67.5%|ウィリアムス ニカ(島根)

帰化選手として島根で活躍するニカ[写真]=B.LEAGUE

「EFG%」とはEffective Field Goal Percentageを略した言葉で、選手のシュート効率を測る際に用いる指標だ。

 Bリーグ公式サイトのボックススコアにも記載される「FG%(フィールドゴール成功率)」は、フリースローを除いたすべてのシュートをもとに算出される。しかし、フィールドゴールでの得点には2ポイントと3ポイントがあり、前者よりも後者の方が1.5倍の得点を得られる。

 2ポイントと3ポイントを”同じシュート”として考えるFG%に対し、EFG%は3ポイントに比重(1.5倍)をかけてフィールドゴール成功率を導き出す。そのため、3ポイントの価値を考慮した以下の計算式が用いられている。

「フィールドゴール+(0.5×3ポイントシュート成功数)÷フィールドゴール試投数」

 5位には、67.5パーセントのEFG%を記録するウィリアムス ニカがランクインした。現在36歳のニカは、島根スサノオマジックのインサイドを支える帰化選手として活躍。Bリーグ発足前の2011−12シーズンから日本でプレーしており、過去には香川ファイブアローズ愛媛オレンジバイキングス秋田ノーザンハピネッツなどでプレーした。日本国籍を取得した2019年以降は日本代表メンバーに選出された経歴もあり、島根ではキャリア最長となる在籍4シーズン目を送っている。

■4位:70.9%|ザック・オーガスト(三河)

加入初年度ながら抜群の存在感を発揮しているオーガスト[写真]=B.LEAGUE

 ザック・オーガストは、今シーズンからシーホース三河に加入した新外国籍選手。NCAAディビジョン1に所属するノートルダム大学出身のビッグマンで、来日前はトルコ、ギリシャ、スロベニアでプレーしていた。

 208センチ110キロの体格を持ちながらも走力があり、主戦場のインサイドでは的確なアシストでも得点を演出するオールラウンドなプレーが光る。1試合平均15.6得点9.4リバウンドを記録するオーガストの現在のFG%に目を向けると、67.2パーセント。しかし、計14試合で21本中10本の高確率で3ポイントを沈めているため、EFG%は70.9パーセントと高い数値を残している。

■3位:71.4%|アレックス・カーク(琉球)

カークは新天地となる琉球でもその能力を発揮している[写真]=B.LEAGUE

 琉球ゴールデンキングスアレックス・カークは、Bリーグを代表する外国籍選手の1人だ。元NBA選手でもある彼は、2017年から日本でプレー。2017−18シーズンに加入したアルバルク東京では、1年目からフル出場を果たしてBリーグ優勝に大きく貢献。大黒柱としてゴール下に君臨し、翌シーズンはリーグ初の2連覇を達成した。

 211センチ114キロの巨体を駆使したインサイドプレーだけでなく、ミドルシュートの精度も高い。さらにはスクリーンなどの献身的なプレーでも味方を援護するカークは、昨シーズンをもってA東京を退団。新天地の琉球では開幕からジャック・クーリーの不在をカバーする活躍を見せ、現在は71.4パーセントのEFG%をマークする。

■2位:73.8%|ケーレブ・ターズースキー(群馬)

3ポイントを放たずともEFG%で上位につけるターズースキー[写真]=B.LEAGUE

 群馬クレインサンダーズでの2シーズン目を送るセンタープレーヤー。現在30歳のケーレブ・ターズースキーは、イタリアの名門クラブであるオリンピア・ミラノに6年間在籍し、2度のリーグ優勝を経験した。一見、インサイドの選手としては線が細いようにも見えるが、212センチ112キロと強靭な肉体を誇る。

 得点力もさることながらリバウンド争いにも強く、昨シーズンは約27分のプレータイムで20本のリバウンドをもぎ取った試合もあった。今シーズンはここまで計13試合で先発を担い、1試合平均11.3得点8.3リバウンドを記録。ペイントエリアを中心に得点を積み上げ、EFG%は73.8パーセントにのぼる。

■1位:75.0%|荒尾岳(千葉J)

体を張ったプレーでチームを支える姿勢が印象的な荒尾[写真]=B.LEAGUE

 千葉ジェッツ荒尾岳が名だたる外国籍選手を抑えて1位に立った。36歳のベテランパワーフォワードは、2013年から2018年まで千葉Jでプレー。その後は滋賀レイクス(元滋賀レイクスターズ)、広島ドラゴンフライズ仙台89ERSを渡り歩き、昨シーズンに古巣への復帰を果たした。

 198センチ105キロの日本人ビッグマンの魅力は、ベテランらしい“いぶし銀”の活躍だ。ルーズボールやリバウンド争い、スクリーンプレーでもチームのために体を張り続けて勝利を手繰り寄せる。スタッツに残らない面での貢献が大きいなか、現在のEFG%は75.0パーセント。計13試合で放ったシュートは4本と少ないが、そのうち3本を確実に得点につなげている。

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 ちなみに、今回はランキング対象外となったが、荒尾よりも高いEFG%を記録しているのが菊池真人だ。名古屋ダイヤモンドドルフィンズの背番号6は、ここまで10試合に出場。プレータイムは荒尾と同様に平均7分台に留まっているものの、7本中5本の3ポイントを沈めて79.2パーセントのEFG%を叩き出している。名古屋Dが西地区首位に立つ要因の1つが、抜群のシュート効率を誇る菊池であることは間違いない。

文=小沼克年

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