2024.05.24

【B1ファイナル 見どころ】史上初の西地区対決が実現…琉球は連覇、広島は初の頂点を目指す

西地区の琉球と広島が今年のリーグ王者を目指す[写真]=B.LEAGUE
フリーライター

「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の熱狂が波及した2023-24シーズンのBリーグは過去最高の盛りあがりを見せた。「日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2023-24」も例年以上の激闘や番狂せが起こり、さらなる熱気に包まれた中でクライマックスを迎える。

 琉球ゴールデンキングスvs広島ドラゴンフライズ――。横浜アリーナでの「日本生命 B.LEAGUE FINALS 2023-24」は、この対戦カードに決定した。西地区2位でチャンピオンシップに臨んだ琉球は、6試合に及ぶ好ゲームを繰り広げて3年連続のファイナル進出。千葉ジェッツとのセミファイナルでは2日連続でクラブ最多来場者数を更新するホームの後押しもあり、リーグ連覇への挑戦権を手にした。

 ワイルドカード1位からの出場となった広島は、クォーターファイナルを連勝で突破すると、セミファイナルでは第3戦の末に名古屋ダイヤモンドドルフィズを撃破。アウェーで中地区と西地区王者相手に“下剋上”を果たし、クラブ初の大舞台に辿り着いた。

広島は中地区と西地区のチャンピオンを連破してファイナルにコマを進めた[写真]=B.LEAGUE


 西地区に所属するチーム同士の頂上決戦は、7度目のBリーグファイナルで今回が初。両チームの対戦で記録に新しいのは、今季のレギュラーシーズン最終節だ。広島サンプラザホールで行われた2連戦は1勝1敗に終わった。しかし、この1勝で広島はCS出場を決め、琉球は地区優勝があと一歩のところでこぼれ落ちた。

 とはいえ、前回王者の琉球の方が経験値では上と言える。昨年のファイナルを振り返ると、MVPを受賞したコー・フリッピン(現・群馬クレインサンダーズ)を筆頭にセカンドユニットの躍動が優勝を手繰り寄せた。今回もガード陣では松脇圭志牧隼利、インサイドではアルバルク東京在籍時に連覇の味を知るアレックス・カークといったベンチメンバーの活躍が必要不可欠となるだろう。

A東京、千葉Jとの激闘を制して琉球は連覇に挑む[写真]=B.LEAGUE


 相手の核となるドウェイン・エバンスを抑えるには、ヴィック・ローが守備で存在感を示せるかが重要。オフェンスでは岸本隆一に加え、エース・今村佳太のチームに勢いをもたらす3ポイントシュートに期待したい。

 広島としては、70点前後のロースコアゲームに持ち込めるかが初優勝の鍵を握る。その中でも大きなポイントになるのがゴール下の攻防だ。ここまでオーバータイムを含む6試合で1試合平均39.7リバウンドをマークする琉球に対し、広島は5試合の平均が35.6本。琉球の強力なビッグラインナップに、ケリー・ブラックシアー・ジュニア河田チリジらが太刀打ちできるかが問われる。

 厚い選手層を誇る琉球から2勝を奪うには、エバンスとともに古巣に挑む船生誠也寺嶋良の代わりに先発ポイントガードを務める中村拓人の働きが欠かせないだろう。オフェンスでのポイントは、いかに3ポイントを決めきれるか。直近5試合で55.9パーセントの高確率で3ポイントを沈める山崎稜が、厳しいマークを掻い潜り輝きを放てるか注目だ。

 史上2チーム目の連覇がかかる琉球と、朝山正悟とのラストシーズンを最高の形で締めくくりたい広島。ファン・ブースターとともにすべての想いをぶつけ、最強を証明するのは果たしてどちらか。

文=小沼克年

■日本生命 B.LEAGUE FINALS 2023-24 試合日程
琉球ゴールデンキングスvs広島ドラゴンフライズ(@横浜アリーナ)
GAME1:5月25日(土)12時00分~ GAME2:5月26日(日)13時10分~ GAME3:5月28日(火)19時5分~
※2戦先勝方式

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