【B2第6節見どころ】初白星目指して山形に挑む奈良、キーマンは林瑛司と栗原翼

1試合平均12.6得点を記録する奈良の林瑛司 [写真]＝B.LEAGUE

　開幕から厳しい戦いが続くバンビシャス奈良は、前節もライジングゼファー福岡に屈し、B2では唯一の未勝利で10月を終えた。ただ、2点差だった前々節に続いて前節も第1戦は6点差、第2戦は再び2点差と粘り強さは出てきている。直近3試合は失点を抑えられているのが、接戦に持ち込めている要因。あと一歩の差を埋めるためには、オフェンスでシェイク・ムボジとシャキール・ハインズの負担を減らす必要があるだろう。

　その奈良が今節に対戦する山形ワイヴァンズは、前節も未勝利だった新潟アルビレックスBBと対戦し、第1戦は29点差の完勝だったが、第2戦で初勝利を献上。両者合計222得点というハイスコアゲームを2点差で制し、好調の青森ワッツに土をつけた前々節の勢いを失ってしまった格好だ。まだ白星が1つ先行しているとはいえ、次節から難敵との対戦が続くということもあり、手綱を締め直したいところだ。

　奈良のキーマンにはいずれも移籍1シーズン目で、第2節以降はベンチスタートながら9試合中7試合で2ケタ得点を挙げている林瑛司と、前節に初めてスターター起用された栗原翼が挙げられる。対する山形は外国籍選手に加えて村上慎也と岡島和真が得点に絡み、シューターの工藤貴哉も波に乗ると怖い存在。奈良としては、日本人選手に攻守両面での活躍が求められることになる。4シーズンぶりに戻ってきた本多純平の強い意志も、今シーズン初勝利を目指す奈良にとっては大きな意味を持つに違いない。

先発ポイントガードとして山形を引っ張る村上慎也 [写真]＝B.LEAGUE

　前々節に山形から110点を奪いながら敗れた青森は、前節第1戦は一転して63得点とオフェンスが沈黙して愛媛オレンジバイキングスに敗れたが、第2戦は89得点と復調して3連敗は免れた。アルティーリ千葉は再延長となった前節第2戦を制し、滋賀レイクスを連破して東地区首位を守っているが、ターンオーバーはリーグ最多。青森は相手のミスから速攻を繰り出す展開に持ち込むことができるか。

　B2復帰のシーズンは1勝8敗と出遅れた岩手ビッグブルズ。前節の熊本ヴォルターズ戦はケルヴィン・マーティンと石川晴道の活躍で2戦とも接戦を演じたものの、得点力不足は明白で、特にフリースローは試投数と成功率がいずれもリーグ最下位と深刻な状況だ。今節の相手はリーグ最少の1試合平均失点で西地区首位に立つ福岡だが、直近3試合は得点がやや伸び悩んでおり、岩手はマルティン・クラムポルの復調次第で2勝目が見えてくる。

　第2節終了後に早くもロバート・ボリックとの契約を解除した福島ファイヤーボンズは、前節もベルテックス静岡に2戦とも20点前後の差をつけられて5連敗。前々節に林翔太郎が大ケガを負った影響も否めない。遠藤善を欠きながらも開幕からの連敗を「8」で止めた新潟を相手に、まずは強い気持ちで戦うことが大前提。田渡凌のリーダーシップと、林に代わってスターターを務めている多田武史のハッスルがチームを鼓舞することを期待したい。