2016.12.23

聖カタリナ学園が一進一退の攻防を制し辛勝、1年生梅木が20得点4スティールの大活躍

1年生梅木千夏の活躍もあり、聖カタリナ学園が2回戦に進出
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 12月23日、ウインターカップ女子1回戦が東京体育館で行われ、15年連続20回目の出場、4年連続でベスト4に入る愛媛県の強豪、聖カタリナ女子高校が、2年ぶり5回目の出場となる長崎県代表、県立長崎西高校と、2回戦で待ち受ける八雲学園高校(東京都)への挑戦権を懸けた試合に臨んだ。

 聖カタリナは、序盤から硬さが目立った。今大会に姉のあゆとともに挑む長崎西の小関菜央にゴール下から決められ先制を許す。後藤良太コーチが「ウインターカップは(試合の入りが)重たくなるんですかね」と語ったように、立ちあがりは、平面のスピードと素早いボール回しを武器とする長崎西にペースを奪われる展開となった。

 重たいチームの雰囲気を払拭したのは、1年生ながら果敢なドライブを武器にチームをけん引する梅木千夏だった。思いきりの良いパスカットから、スピード感溢れるドリブルで一気にボールを持ちこみ得点を挙げる。梅木のプレーをきっかけに聖カタリナは主導権を握ると、2年生の司令塔、石原柚香の連続3ポイントも決まり、第1ピリオドを19-12のリードで終えた。

 第2ピリオドは一進一退の攻防が続くが、聖カタリナは、残り2分で長崎西の安部冬美の3ポイント、小関菜のゴール下で33-30の3点差まで詰め寄られたところでタイムアウト。一度流れを断ちきり、ゲームを落ち着かせると、ここでも梅木が連続でシュートを沈め、37-30とリードを保ったまま、前半戦を終了した。

 聖カタリナの梅木は、1on1において他を寄せつけない圧倒的なクイックネスを見せ、一瞬で相手を置き去りにする切れ味鋭いドリブルで、この試合何度となくチームのピンチを救う活躍を見せた。

 後半戦、両チームともにスターティングメンバーからのスタートとなるが、序盤から長崎西の反撃に遭う。このピリオド開始早々に得点を許すと、相手の積極的にゴールへ向かう姿勢、果敢に飛びこむリバウンドに手を焼き、早々に逆転を許した。それでも聖カタリナは負けじと攻め続けて試合をひっくり返し、黒山佳奈が3ポイントシュートを決めた時点で10点をリード。ようやくペースをつかんだかに見えたが、今度は長崎西に連続3ポイントを決められ、48-52でこのピリオドを終了した。

 最終ピリオドも5点差以内の激しい戦いが続くが、聖カタリナは要所で梅本と石原が得点を重ねる。ディフェンスでも最後まで激しくプレッシャーを掛けて長崎西を抑え、最終スコア69-65で激戦を制し、明日の2回戦へと駒を進めた。

 試合後、聖カタリナの後藤コーチが「はああ、疲れました」と何度もつぶやいたように、開幕にふさわしい好ゲームとなった。勝負を分けたのは1年生梅木の卓越した1on1のスキルと2年生の司令塔石原の強気なゲームコントロールだった。特に梅木はチームトップとなる20得点に加え、4つのスティールを記録。初戦のプレッシャーから硬さの見えたチームを救う大活躍となった。

文=村上成