2019.06.18

開志国際、リバウンドから勝機を見出し2年ぶりの北信越大会制覇…男子とともにアベック優勝

キャリアのあるガード陣がチームを引っ張り優勝を果たした開志国際[写真]=田島早苗
フリーライター

 6月15と16日の2日間、長野県で行われた「令和元年度北信越高等学校体育大会バスケットボール競技会兼第58回北信越高等学校バスケットボール選手権大会」は、男女ともに開志国際高校(新潟県)が大会を制覇。見事アベック優勝を達成した。

 女子も男子同様にベスト4へと勝ち上がったのは、長野県、新潟県、福井県、石川県の1位チーム。その中で足羽高校(福井県)と鵬学園高校(石川県)との準決勝は最後までもつれる接戦となった。

「昔の足羽のスタイルに少しずつ戻しています」と、林慎一郎コーチが言うように、今年の足羽は、昨年とは打って変わってスターターの最長身も173センチと小さいチーム。そのため、ハードなディフェンスから速い展開での攻めが特長だが、これは林慎一郎コーチが足羽を全国の強豪校へと押し上げたスタイル。その言葉どおり、準決勝でも鍛えぬいた脚を武器に鵬学園に襲い掛かった。

インターハイに向けて貴重な経験を詰んだ鵬学園の小林きあら[写真]=田島早苗

 しかし、「昨年11月に石川県の新人戦で津幡に(大差で)負けてから練習を少し変えて、トレーニングを多く取り入れました」(柿島誠一コーチ)という鵬学園も脚力で応戦。メンバーを上手く交代させながら、最後まで攻撃の手を緩めず。粘る足羽を振りきって101-90とハイスコアゲームを制した。一方、「ハイスコアは予定どおりだったが」と肩を落としたのは足羽・林コーチ。それでもかつての足羽のスタイルが見えつつある今年、「プレーの精度を上げていきたいです」と、林コーチはインターハイに向けて抱負を語っていた。

ガッツあるプレーでチームを盛り立てる足羽・杉本りく[写真]=田島早苗

 決勝は、鵬学園と東海大学付属諏訪高校(長野県)との準決勝に快勝した開志国際との顔合わせに。試合は互いに一歩も引かず、第2クォーター終盤まで接戦の様相となった。それでも、第2クォーター終盤に山口里奈の3ポイントシュートに小野寺佑奈のドライブが決まった開志国際が7点のリードを奪って前半を終える。

 だが後半、一時は10点差を付けられた鵬学園だったが、山口奈々花、井口栞奈らがシュートをねじこみ、第3クォーター中盤に開志国際を捉える。これで再び一進一退の展開となったが、伊藤和希の3ポイントシュートが要所で決まった開志国際が試合終盤に抜け出すと、鵬学園の反撃もかわし、最後は75-72で辛勝。開志国際が2年ぶり3回目の優勝を決めた。

ゲームメイクに加えて決勝では要所で得点も挙げた開志国際・木村真唯[写真]=田島早苗

「まだまだ課題は残っていますが、最終的にはリバウンドのところで頑張りぬいてくれたと思います」と、開志国際の伊藤翔太コーチ。また、敗れた鵬学園・柿島コーチは「選手たちにとって大きい大会を経験することができたのは収穫です」と語り、こちらも6年ぶりとなるインターハイに向けて実りのある大会となったようだった。

 なお、3位決定戦は、後半もスタミナの切れることのなかった足羽が88-80で東海大付諏訪に勝利している。

東海大諏訪の得点源を担う古畑瑞枝[写真]=田島早苗

■大会結果
1位:開志国際(新潟県1位)
2位:鵬学園(石川県1位)
3位:足羽(福井県1位)
4位:東海大学付属諏訪(長野県1位)

取材・写真・文=田島早苗

インターハイ2019のバックナンバー