2019.06.26

岐阜女子との頂上決戦を制した桜花学園、東海大会3年ぶり32回目の優勝!

決勝ではスターター5人が2ケタ得点を挙げた桜花学園 [写真]=田島早苗
フリーライター

第66回東海高等学校総合体育大会バスケットボール競技」が6月22、23日の期間にて静岡県にて行われた。女子は桜花学園高校(愛知県1位)が3年ぶりに頂点に立ち、優勝回数を32回に伸ばした。

 初日の1、2回戦を終えてベスト4は桜花学園、名古屋女子大学高校(愛知県2位)、安城学園高校(愛知県3位)と岐阜女子高校(岐阜県1位)という顔ぶれに。そして2日目の準決勝、桜花学園と安城学園との愛知対決は、第1クォーター中盤までは安城学園がゾーンディフェンスを駆使して対抗したが、第1クォーター終盤から桜花学園に連続得点を許すと、そのまま点差は広がっていく。後半も反撃の糸口をつかめなかった安城学園。最後は55-77で安城学園が力尽きた。

力強いドライブから得点を挙げた名古屋女子大学のエース・佐賀藍菜 [写真]=田島早苗

 もう一方の岐阜女子vs名古屋女子大との準決勝は、第1クォーターで岐阜女子が24-12とリードしたが、第2クォーター以降はシュートを決めきれずリードを広げることができない。それでも、岐阜女子は10点前後のリードを保ちながら試合を進めると、終盤の名古屋女子大学の追いあげも振りきり、69-59で勝利した。

 迎えた桜花学園と岐阜女子の決勝戦。試合は序盤から激しい攻防となったが、3ポイントシュートが効果的に決まった桜花学園が僅かにリードする。しかし、岐阜女子もポイントガードの藤田和を起点に攻撃を組み立て、第2クォーター中盤で桜花学園を捉えると前半を32-35と3点差に詰めて終えた。

 しかし後半、江村優有、平下愛佳で得点を連取した桜花学園が一気に点差を広げる。これで主導権を握った桜花学園が攻撃の手を緩めず、81-50と31点差を付けて勝利した。

桜花学園・井上眞一コーチが優勝の殊勲者と称えた前田芽生 [写真]=田島早苗

 今大会では、スターター予定だった1年生の平下結貴をケガで欠いた桜花学園。それでも代わりにスターターとなった前田芽衣が役割を果たし、決勝では14得点。これには井上眞一コーチも「決勝の一番の殊勲は前田。3ポイントシュートを4本入れて、役割を果たしてくれた」と、勝負強さを発揮した2年生を称えていた。

 一方、大会直前にインサイドの柱であるイベエスターチカンソ(2年生)が体調不良で出場を見合わせた岐阜女子。だが、こちらも3年生の大澤優奈がカバー。「次の選手が出て来てくれたことは優勝はできなかったけれどチームの財産になっていくと思います」と、安江満夫コーチは大会を総括した。

攻防ともに体を張ったプレーを見せた岐阜女子・大澤優奈 [写真]=田島早苗

 なお、名古屋女子大と安城学園との3位決定戦は、大接戦の末に名古屋女子大が87-85と競り勝ち。どちらも今年から愛知県女子のインターハイ出場枠が1つとなったために、夏の全国大会こそ不出場だが、「今大会で夏は一区切り。ウインターカップ予選に向けて選手たちは自信になったと思います」と、名古屋女子大学・後藤慎太郎コーチは語る。

 また、エントリー15人中8人が1年生。そのうち美口まつり、関遥花の2名をスターターに起用した安城学園の金子寛治コーチも「まだ発展途上のチーム」としながら、大会前日にNBAのドラフトで日本人初の1巡目指名を受けた八村塁(ワシントン・ウィザーズ)を引き合いに出し、「会場で八村選手のバスケットへの取り組む姿勢の話を多く聞きました。そういったことが1年生たちには何かを感じるものとなったと思います」と、充実の大会を振り返っていた。

浜松開誠館戦では45得点を挙げて勝利に貢献した安城学園・佐藤愛夏 [写真]=田島早苗

 今大会で桜花学園が優勝したことにより、愛知県女子はウインターカップの出場枠が「1」から「2」となった。さらにインターハイの桜花学園の結果次第では3枠になる可能性もある。それだけに、両指揮官とも10月から始まるウインターカップ予選をしっかりと見据えていた。

【大会結果】
1位:桜花学園(愛知県1位)
2位:岐阜女子(岐阜県1位)
3位:名古屋女子大(愛知県2位)
4位:安城学園(愛知県3位)

取材・写真・文=田島早苗

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