2019.04.05

【連載】2019年注目選手に迫る vol.2-1 平下愛佳の今年にかける思い「自分が中心となり絶対に3冠を」

高校バスケ界注目選手の1人である桜花学園の平下[写真]=長尾里絵
フリーライター

2019年の高校バスケ界は、一体どの選手が主役に躍り出るのか――。

そんな疑問を抱きっつも、すでに全国に名を馳せ、今年も高校バスケ界の主役となり得るであろう選手がいる。その1人が桜花学園高校(愛知県)の平下愛佳だ。卓越したスキルを持ち、1年次から名門・桜花学園のスターターを務め、自身が得意とするジャンプシュートを武器に得点を量産していく点取り屋。177センチながら走力もあり、世代屈指のオールラウンダーとしてアンダーカテゴリーの日本代表にも名を連ねている。今回、いよいよ最上級生となる平下に「2019年にかける思い」を聞くとともに、今年の桜花学園というチームに迫った。

インタビュー・文=田島早苗
写真=長尾里絵、田島早苗

昨年の主力が4人残るも、ライバル岐阜女子にまさかの敗戦

――2月の東海新人大会では決勝で惜しくも岐阜女子高校(岐阜県)に敗れ準優勝でした。
平下 (オコンクウォ・スーザン)アマカに頼り過ぎてしまいました。特に決勝の時は、アマカがあまり調子が良くなくて、それは第1クォーターから分かってはいたのですが、それでもアマカに頼っていて……。途中から井上(眞一)先生にも指摘されて、外の選手が攻めるようにはなったのですが、ボールマン以外が止まってしまい動きが全然なかったのが良くなかったと感じています。

――大会での自分自身の調子はいかがでしたか?
平下 シュートの調子は良かったのですが、決勝は自分のマークマンがプレッシャーをかけてきたことで、積極的に攻められなかったところがありました。今後、相手のプレッシャーがきつくても、もっと攻めるようにしないといけないなと思いました。

――1カ月後の「第47回全関西バスケットボール大会」(交歓大会)では、岐阜女子や大阪薫英女学院高校(大阪府)、津幡高校(石川県)らを倒して優勝しました。
平下 岐阜女子に勝つのが目的だったので、勝てたことは自分たちの自信になったと思います。大阪薫英女学院との最終戦も試合の出だしは良くなかったのですが、後半はディフェンスもでき、自分たちの攻めもできたので、そこは良かったです。

平下がキャプテンを務める今年の代は、早くも“負け”を経験した[写真]=長尾里絵

――全関西大会での自己評価は?
平下 岐阜女子の時は自分の1対1が結構できたので、あまり3ポイントシュートは入らなかったのですが、ドライブはできたかなと思います。

――今年、平下選手が取り組んでいることはありますか?
平下 昨年からずっと、(攻めのパターンが)ジャンプシュートが多くて、レイアップシュートまで行くということがあまりありませんでした。だから今年は、どんどんとドライブで切って行き、そこからシュートまで行けるようにしたいと思っています。

――得点での目標はありますか?
平下 1試合30得点が目標です。

――平下選手へのマークもより一層厳しくなります。
平下 ボールをもらった時に、今までは何も工夫なしでドリブルをすることがほとんどだったので、今はボールもらった時にフェイクなどをしてからドライブに行くとか、ちょっとした技を使うようにしようと考えています。

3冠を目指すなら、練習の雰囲気から良くしないといけない

平下はエースとしてだけでなく、自らキャプテンとしての重責も背負った[写真]=長尾里絵

――最上級生となる今年は、キャプテンを務めます。キャプテンはいつ以来ですか?
平下 中学の時に一応、それっぽいことをしました(笑)。ミニバスでもキャプテンではありました。

――桜花学園のキャプテンとなると覚悟も必要ですよね。
平下 はい。昨年のウインターカップで負けた後、すぐ名古屋に戻ってミーティングをして、その時に「キャプテンをどうするか」という話になりました。ずっと試合に出ているし、私がやるしかないなと思って。人前で強く言ったり、注意したりすることはあまり得意ではないのですが、それをやらないと勝てないと思うので、しっかりやりたいと思っていますし、井上先生からも私が声を出すようにと言われていているので、練習中から声を出して、チームをまとめていきたいです。

――平下選手から見た今年のチームはどんなチームですか?
平下 昨年から試合に出ている選手が多いので、合わせのプレーなどはやりやすいです。あと、昨年に比べてスピードもだいぶ出るようになってきました。井上先生もセットプレーではなく、アーリーオフェンス、パスでつないで速く攻めるチームにしていきたいと言っているので、そういうチームに近づけるようにしたいです。

今年の桜花は、平下を中心に速いバスケを目指す[写真]=田島早苗

――桜花学園では1年生の頃からスタートを担い、U16・17の日本代表としても国際大会に出場。こういった経験を今年、どう活かしたいですか?
平下 アンダーカテゴリーの日本代表では海外のチームと試合をしますが、海外の選手だと自分より大きい選手が多く、工夫してシュートも打たないと決めることができません。でも、その経験があって大きい選手に付かれた時のシュートをいろいろと工夫できるようになったので、そこを桜花でもできるようにしたいです。それに、1年生から試合に出ていて、大きい大会もみんなよりは経験して一番慣れていると思うので、あまり緊張せず、キャプテンとして引っ張っていけるようにしたいです。

――試合では緊張するタイプですか?
平下 試合前に少し緊張するぐらいで、試合中は全然しません。

――新チームは東海新人大会の負けからのスタートとなりました。3冠獲得に向けては何が必要でしょう?
平下 新チームでは、「絶対に負けないようにしよう」とミーティングで話したんですけど、それが最初からできなかったので、すごく悔しかったです。東海新人大会前の練習の雰囲気がずっと良くなくて、井上先生にも「こんなんじゃ勝てないだろ」と言われてしまいました。そんなことでは絶対に勝てないと思うし、3冠を目指すなら、もっと練習の雰囲気から良くしないといけないと感じました。

――最後に、今年1年の意気込みをお願いします。
平下 絶対に3冠を獲得することと、キャプテンなので、プレーの面でももちろんですが、チームメートが落ち込んでいたらどんどん声を掛けて自分が中心になって引っ張っていきたいです。

次回のテーマは「5分でわかる平下愛佳 30問30答チャレンジ!」

2019年の高校バスケ注目選手のバックナンバー