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『B MY HERO!』
7月28日から8月2日にかけて鹿児島県で行われる「令和元年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。バスケットボールキングでは、“令和初”の高校チャンピオンを決する夏の全国大会を前に、今大会で見るべき注目選手をピックアップした。
「自分の持ち味はドライブです。(大上晴司)先生には、前が空いたら積極的に行けと言われているので、ゲームをコントロールするよりかは『自分が、自分が』という意識をしています」と、自身のプレーを語るのは精華女子高校のエース・三浦舞華。1対1に強く、クロスオーバードリブルからのジャンプショットを得意としている。シュートフォームはワンハンドだ。
現在キャプテンを務める樋口鈴乃(3年)とともに、1年次からチームの中心を担う三浦だが、今シーズンのスタートは決して順調ではなかった。新チームが始動したばかりの1月、下肢の疲労骨折により約2カ月間は全体練習さえも参加できずにいた。本格的に練習に加わったのは、3月末に行われた「第49回全九州高等学校バスケットボール春季選手権大会」の1週間前のことである。それでも、復帰直後の同大会では「とにかく全力でやりました」と準決勝で31得点、決勝戦では29得点を挙げたオフェンス力は、流石の一言に尽きる。
また、このケガが三浦を、そして精華女子を一層強くした要因の1つでもある。練習ができない期間、三浦は個別トレーニングで汗を流し、普段以上にBチームの仲間ともコミュニケーションを図り、チームの共通理解を深めた。試合では、三浦が出れずキャプテンの樋口にかかる負担を、当時1年生だったガードの齋藤風香(現2年)がカバーした。
「ケガをしてからストレッチとかクールダウンの大切さに気づかされて、そこからスピードやキレとかも良くなりました。ケガのおかげでもっとレベルアップするチャンスが増えたかなと思います」と、当時を振り返った三浦。ケガの具合は「もうバッチリです」とのことだ。
三浦はインターハイへ向け、個人技からではなく、味方が絡んだ流れの中からのジャンプショットと3ポイントの精度向上を課題に挙げて6月の九州大会を後にした。言わずもがな、インターハイでも相手からの厳しいマークに遭うが、それを上回るのがエースの仕事だ。
文=小沼克年