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第74回国民体育大会は大会4日目を迎え、少年女子は準決勝2試合が行われた。
<愛知 vs 栃木>高さで優位に立つ愛知に栃木が後退
第1試合に登場したのは前回覇者の愛知と選抜チームになってからは初のベスト4入りを果たした栃木。勢いに乗る栃木は、高さで群を抜く愛知に対しロースコアのゲームへ持ち込もうとする。序盤は「インサイドに対してチームで守る」(渡邊明美監督)ことが機能した栃木。しかし、「ボディブローのように効いてきた」と愛知の高さに苦戦すると、オフェンスリバウンドからセカンドショットを与えてしまい、前半を終えて17―40と大きく水を開けられてしまった。
後半、神山南帆、五月女優羽らのドライブでから活路を見出そうとした栃木。しかし、インサイドを起点に攻める愛知の前に追いつくことはできず、最後は42―86で敗れた。
最後は愛知の前に屈したものの、栃木の指揮を執る渡邊監督は、ここまでの戦いぶりに「(国体予選となる)関東ブロックを突破したことが原動力になりました。チームワークは日本一だと思います」と選手たちの健闘を称えるとともに、スタッフたちにも感謝の意を表していた。
<大阪 vs 宮崎>前半は互角の展開も後半に大阪が引き離す
僅かに高さで優位に立つ大阪だったが、前半は「守らないといけないという気持ちから、ゆっくりとしたペースになってしまった」(安藤香織監督)と、流れを宮崎に渡してしまう。逆に宮崎は「リバウンドやインサイドプレーなど、大阪のやりたいことを抑えることができてロースコアに持ち込めた」(前村かおり監督)ことで接戦へと持ち込み、前半は28―28と同点で折り返した。
しかし後半、安藤監督の「やられたらやり返そう」というアドバイス通り、本来のペースを取り戻した大阪は、中村真湖らの3ポイントシュートなどで徐々にリードを広げていく。対する宮崎は、八十川ゆずゆが奮闘。多彩な攻めを見せたが、得点ペースの上がった大阪に付いていくことができず、54―79で敗退した。
「前半は八十川以外の選手も点を取れていましたが、後半は八十川頼みになってしまいました。でも、インサイドの選手がいない中、ファイブアウトで戦い、リズムは作れていました。1対1はちゃんとやれば通用するということも選手たちにとって自信になったと思います」と前村監督。大会直前に唯一の2年生、松原志帆が怪我によりエントリー変更となった中、「精神的に頼る人がいなくなったことで逆に団結した」(前村監督)と、宮崎はチーム一丸でつかみ取った3位入賞となった。
これで少年女子の決勝は愛知と大阪という顔合わせに。愛知の井上眞一監督はエース・朝比奈あずさに対するディフェンスが激しくなる中でどう攻めるか、また「オフェンスリバウンドが取れれば」とリング下での攻防をポイントに挙げた。
一方の大阪・安藤監督も「朝比奈さんをどう守るか。他にも伊波美空、平下結貴さんに気持ちよくプレーをさせないようにしたいです」と語った。
愛知が勝てば2連覇。大阪が勝てば実に34年ぶりの優勝となる。高さ愛知に得点力の高いガード陣を擁する大阪。注目の一戦は明日(10月8日・火)、9時半からティップオフとなる。
取材・写真・文=田島早苗