2020.11.22

【ウインターカップ2020注目校】東山(京都)「改めて“ゼロ”からスタート。この借りは本番で必ず返す」

東山の屋台骨を支える米須玲音とムトンボ・ジャン・ピエール[写真]=吉田孝光
バスケットボールキング編集部。これまで主に中学、高校、女子日本代表をカバーしてきた。また、どういうわけかあまり人が行かない土地での取材も多く、氷点下10度を下回るモンゴルを経験。Twitterのアカウントは @m_irie3

 12月23日から29日の期間、都内で開催される「SoftBank ウインターカップ2020 令和2年度 第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会」。今年度はインターハイ、国体も中止となったため、ウインターカップが最初で最後の全国大会となる。バスケットボールキングでは冬の日本一を決定する大会での注目チームをピックアップし、紹介する。

■ウインターカップ男子注目校(2)東山高校(京都府)

 昨年のウインターカップで東山は優勝した福岡第一に準決勝で敗れベスト4に終わった。インターハイ、そしてウインターカップと東山は福岡第一にチャレンジを続けたが、勝利をつかむことができず…。それでも、当時2年生ながら主力を務める米須玲音(3年)、ムトンボ・ジャン・ピエール(3年)が最上級生となる今年、男子の高校バスケ界をリードする存在になるのではないかと思われていた。

 年が明け、米須がキャプテンに就いて新チームがスタート。目標を高校タイトル2冠と設定し、2月に行われた近畿高等学校新人大会を制した。しかも近畿新人では、全試合を100点ゲームで勝利するという圧倒した強さを見せつけ、「やはり今年の東山は強い」と多くの関係者を唸らせるものとなった。

 今年の東山は、広い視野から変幻自在のパスでゲームを支配するPGの米須と206センチの身長とリーチを生かしたプレーでゴール下を圧倒するピエールが軸となる。これに3ポイントシュートも得意とする西部秀馬(2年)、中川泰志(3年)や2年生の堀陽希、堀田尚秀が脇を構える陣容。米須からのパスを起点にセットでもトランジションでも得点を奪えることが武器と言えよう。さらにピエールのブロックショットも相手チームにとっては脅威となる。

 近畿新人の後、新型コロナウイルス感染拡大の影響でチームの活動は停止する。6月に入り全体練習がやっと再開されたが、インターハイが中止になるなど、以前にように活動ができない状況を余儀なくされた。誰もが経験したことのない状況の中、大澤徹也コーチはチーム作りの難しさを実感。それでも「開催されることを信じることが希望だった」(大澤コーチ)ウインターカップが行われることが決まり、チームは“冬の日本一”を最終目標に据え、12月の本番に向けて盛り上がっていくはずだった。

 迎えた11月1日、ウインターカップ京都府予選最終日、京都には出場枠が2つ付与されており、すでに東山はウインターカップの出場権を手にしていたが、長年のライバルである洛南高校を破って本番に向けて弾みをつけたいところだった。だが、この試合、洛南が終始ゲームをコントロール。自分たちのリズムでプレーができずシュートがリングをたたく東山をしり目に高確率でシュートを沈めた洛南が勝利を収めた。

 突如崩れるとそれを立て直せない欠点が露出した試合内容だった。裏を返せば、それだけ洛南が徹底した東山対策を練り、それを遂行した結果だったとも言える。しかし、全国制覇を目指す東山にとっては厳しい結果となった。

 大澤コーチは試合後選手を集めて、「この負けがどう今後に生きるか!? もう1回“ゼロ”からやり直す」と話しかけた。米須は「このままではウインターで勝てない。悪いところを徹底的に直していきたいと思います」と振り返った。この2カ月でチームとしてどこまで成長できるか!? 決して長くはないが、その時間は十分あるはずだ。

文=入江美紀雄

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