2020.11.21

【ウインターカップ2020注目校】桜花学園(愛知)「“圧倒して勝つ”を合言葉に23回目の優勝を狙う」

どのポジションも得点力の高さを誇る桜花学園[写真]=バスケットボールキング
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 12月23日から29日の期間、都内で開催される「SoftBank ウインターカップ2020 令和2年度 第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会」。今年度はインターハイ、国体も中止となったため、ウインターカップが最初で最後の全国大会となる。バスケットボールキングでは冬の日本一を決定する大会での注目チームをピックアップし、紹介する。

ウインターカップ女子注目校(1)桜花学園高校(愛知県)

 昨年大会で3年ぶりに優勝を果たし、自らが持つ歴代最多優勝回数を22回に更新した桜花学園高校(愛知)。

 ガードで高い攻撃力を持つ江村優有(3年)にシュート力に定評のある前田芽衣(3年)、そしてインサイドで抜群の強さを見せるオコンクウォ・スーザン・アマカ(3年)と昨年からのスターターが3人残る今年も、やはり優勝候補筆頭に挙げられている。

 しかし、「力がないわけではないと思います。昨年の(主力)メンバーが3人残っているし。力はあると思うのだけれど…」と指揮を執る井上眞一コーチは歯切れが悪い。

 というのも、今大会、愛知県女子には東海ブロック枠と県代表枠と、出場枠は2つあった。東海ブロック枠で推薦された桜花学園ウインターカップへの出場が決まっていたため、愛知県のウインターカップ予選は不出場。そのため、高校生との公式戦となると2月16日以来(第33回東海高等学校新人大会)となる。だからこそ、「高校生との試合がなかったことが一番の不安」と井上コーチは言うのだ。

 だが、インターハイ中止など、公式戦をすることはなかったものの、「時間がたっぷりあったので、ある意味基本はできたのかなと思います」(井上コーチ)と、じっくりと選手やチーム作りに時間を割くことはできた。

 中でも2年生の朝比奈あずさは、「筋力が付き、体もしっかりしてきた。インサイドはもちろん、ミドルショットも入るようになってきた」と井上コーチ。江村も「前よりも強くなったし、ブレイクで先頭を走ってくれる。いろんなステップができるようになっています」と、その成長を語る。

 他にも、オールラウンドなプレーが持ち味で泥臭い動きでもチームを盛り立てる佐藤多伽子(3年)や姉の平下愛佳(トヨタ自動車アンテロープス)に負けず劣らずのシュート力を持つ平下結貴(2年)らも健在。インサイド陣のバックアップには課題が残るものの、ガード陣は昨年の国体で優勝に大きく貢献した伊波美空(2年)をはじめ、層は厚い。

プレーの幅が広がった2年生の朝比奈は注目の選手[写真]=バスケットボールキング

「アマカのファウルトラブル、いらないファウルをしないようにすることと3番ポジションの3ポイントシュート」をウインターカップまでの強化ポイントに挙げた井上コーチ。実戦経験の少なさに心配な要素はあるが、目の前の課題をクリアしながら前回覇者・桜花学園は進化を続けてきた。

 今年、新チーム発足時に選手たちで決めた目標は「圧倒して勝つ」

「(2月の)東海新人の決勝(岐阜女子戦)では勝ったけれど2点差だったので、圧倒はしていません。ウインターカップでは圧倒して勝って、最後は優勝して終われるように頑張ります」と、江村は直前に迫った大一番に向けて目を輝かせた。

写真・文=田島早苗

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