2021.06.07

2年ぶりの開催となった関東大会…男子は八王子学園八王子と前橋育英が3戦全勝

関東大会を3戦全勝で終えた前橋育英(佐藤永遠)と八王子学園八王子(吉田叶貴)[写真]=小沼克年
元バスケットボールキング編集部。主に国内バスケ(Bリーグ、高校・大学バスケ)を中心に取材活動中。バスケでオウンゴールしたことあります。

関東の強豪が集結した2日間

 6月5日、6日の2日間、船橋市総合体育館(船橋アリーナ)にて「令和3年度 関東高等学校男子バスケットボール大会 第75回関東高等学校男子バスケットボール選手権大会」が行われた。

 2年ぶりの開催となった関東大会だが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響により無観客開催に加え試合数を軽減。3位決定戦と決勝戦は行わず、A・Bブロックともに準優勝チーム2校が決定した時点でトーナメントを終えることとなった。

 各県の予選上位チームが相まみえるAブロックは、八王子学園八王子高等学校(東京都)と前橋育英高等学校 (群馬県)が3戦全勝。2回戦で土浦日本大学高等学校(茨城県)を2点差で破った八王子学園八王子は、正智深谷高等学校(埼玉県)との準決勝も77−72で競り勝った。

 この試合では、205センチのンジャイ ムハマドゥムスタファ(2年)が第1クォーター開始約2分で2ファウル。早々に交代を余儀なくされたが、「あれで他の選手たちの打つ意識が強くなった」(管野希一/2年)と、チームは吉田叶貴、北見凛太郎(ともに2年)らのアウトサイドシュートが立て続けに決まり、主導権を得た。随所にオフェンスリバウンドももぎ取った八王子、最初の10分間で27−10とすると、このリードを最後まで守りきる形で勝利を収めた。

 出鼻をくじかれた正智深谷は、相手の留学生をファウルトラブルに追い込み、得意とする平面の勝負に持ち込んだものの、生命線であるディフェンスが安定しなかった。

「やられたのは2年生のディフェンス」と、後半は一時1ケタ点差まで詰めたものの正智深谷の成田靖コーチは、先発を務めたルーニー慧(2年)と田中祥智(2年)の守備を指摘。指揮官は大会初日にも「まだルーニーと田中の守備がすごく不安定。2人のディフェンスができているときは気持ち良くバスケットができるのですが、できなくなるとバタバタしてしまいます」と語っており、「いい教訓になりました」と、今後のインターハイ県予選へ向け課題を持ち帰った。

八王子のインサイドの柱であるンジャイ[写真]=小沼克年

勝負どころで抜け出した前橋育英

 昌平高等学校(埼玉県)、東海大学菅生高等学校(東京都)を退け準決勝進出を決めた前橋育英は、その準決勝で桐光学園高等学校(神奈川県)への“リベンジ”を果たした。

 昨年2月の関東新人大会で対戦した際は、後半に猛攻を許し敗れていただけに、「昨年は負けて悔しい思いをしたので、みんなで勝とうと話していました」とキャプテンの久岡賢太郎(3年)は言う。加賀谷寿コーチも選手たちのモチベーションを上げるために「ここで勝たなくちゃいけないよ」と発破をかけたそうだ。

 その甲斐もあり、最終戦は78−70でタイムアップ。第3クォーター終了時点で54−54と白熱した展開となったが、リバウンドとルーズボール争いで上回り、攻撃では久岡と佐藤永遠(3年)が躍動。エースの久岡は計37得点、「普段はアシスト役」(加賀谷コーチ)という佐藤も22得点の活躍を見せて相手を振り切った。

 また、大会2日目は1日2試合を消化する日程が組まれたため、「タイムシェアしないと絶対にスタミナが持たないと思った」と加賀谷コーチ。準決勝では、ベンチスタートながら20分以上コートに立った森田翔伍と飯塚和生(ともに3年)についても「数字に表れない部分での貢献度が大きかった」とポイントに挙げた。

前橋育英をけん引する久岡[写真]=小沼克年

 一方のBブロックでは、つくば秀英高等学校(茨城県)と実践学園高等学校(東京都)が3連勝を達成。各校のコーチが「まだまだ伸びしろがある」「これからですね」などと語ったように、県外のライバルたちと真剣勝負ができたことは貴重な経験となったはず。新たな収穫と課題を見直し、これからどのチームが台頭してくるのか、とても楽しみだ。

写真・文=小沼克年

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