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福岡大学附属大濠高校(福岡県)が3年ぶりに挑んだインターハイは、3位という結果で幕を下ろした。
中部大学第一高校(愛知県)との「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会」男子準決勝は、立ち上がりから追いかける展開が続いた。第3クォーターでは一時18点ビハインド。そこから粘りを見せて4点差まで詰め寄るも、最後は再び引き離され69−83で決勝進出を逃した。
「試合の入りは、(相手に)留学生がいるからこそペイントアタックをしてリズムを作っていこうと話していたのですが、なかなかこじ開けられず外のシュート中心になってしまいました。逆に中部大一さんは強度高く守っていたので、ちょっと先手を取られてしまった印象です」と振り返るのは、片峯聡太コーチ。
第1クォーターでは「今日は自分のシュートが入らないと勝つのは厳しいと思っていたので、積極的に行こうと思っていました」と、針間大知(3年)がいきなり10得点を挙げたが、チームとしてはこの10分で計12点に留まった。
シュートに関してはフリースロー確率が55パーセント、3ポイントシュートはチーム全体で8パーセント(25分の2)と振るわず。指揮官はこの理由を「やはり足にきていました」と分析する。
「いつもより早打ち、手で打ってしまっていたのは、おそらくタメが効かなかったんだと思います。そこの部分でも普段のトレーニング不足を感じました。ですので、選手たちにはシュートが入らなかったことを一過性のものと捉えてほしくないですし、もっともっと強度の高い積み重ねが必要だということを認識してほしいです」
インサイドで存在感を示すアブドゥレイ トラオレ、田中流嘉洲(ともに3年)のいる中部大第一に対しては、「ファウルトラブルは想定内だった」とも明かし、こう続けた。
「インサイドで取られる2点に対して、ウチはキックアウトからの外のシュートで対応しようとしていたんですけど、そこも上手くいかなかった。フリースロー、ファストブレイク、そしてブレイクからノーマークの3ポイント。それらが今後の大きな課題だと思います」
福岡県予選後に開催予定だったブロック大会が中止となり、「FIBA U19 バスケットボールワールドカップ」に出場した岩下准平(3年)と川島が準々決勝まで合流できなかった今回のインターハイ。理想とするチームケミストリーを構築するのは、容易ではなかったはずだ。
それでも片峯コーチは、今年初となった遠方での試合、つまりは北信越インターハイを「学びの多い大会だった」と総括する。
「この大会に向け、『言い訳をしない』『ともに戦う』『とにかく勝ちにこだわる』という3つのマインドセットをしてきました。そういった意味ではチームとして戦う素晴らしさ、楽しさは大澤(祥貴/3年)キャプテン中心に築けたかなと思いますし、大きな収穫でした。ただ、頂点になるためにはそれを5試合、6試合やり続けなければいけません。最後の最後まで自分の仕事を全うして、かつ精度を高く持ち続ける必要性をみんなが感じたと思います」
「『悔しいけど、楽しかった』ではなく、『楽しい試合だったけれど、悔しかった』。私はそう思っています。もう一度冬に出直せるように、この夏しっかり鍛えたいです」
福大大濠の夏はこれで終わりではない。これからが本番だ。
写真=伊藤 大允
取材・文=小沼克年