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『B MY HERO!』
2011年以来となるウインターカップ決勝の舞台に立った札幌山の手高校(北海道)。11年前と同じ結果にはならなかったが、選手たちは笑顔で大会を終えた。
指揮を執る上島正光コーチは、「決勝の舞台まで来られるとは考えてもいませんでした」と正直に漏らした。他の強豪校のような留学生はいない。チームで最も高い身長は174センチ。「うちは地産地消でやってます」という上島コーチの言葉どおり、選手たちはみんな北海道出身。それでも札幌山の手は、「SoftBank ウインターカップ2022 令和4年度 第75回全国高等学校バスケットボール選手権大会」で最終日まで戦い抜いた。
「この大会は自分たちが一番楽しもうという気持ちでプレーしています」。大会初日に自身が口にしていた言葉を貫き通すことができた森岡ほのか(3年)は、「満足はしていないんですけど、みんなでバスケットを楽しんでプレーできました。本当にみんなの頑張りのおかげですし、一番楽しんで、みんな笑顔で終われたと思います」と、準優勝で終えたウインターカップを総括した。
「この大会からまた1つみんなが成長できたと思いますし、みんなの成長がなかったら、本当にここまで来れませんでした。みんなのおかげで勝たせてもらいました」。チームメートへの感謝を述べた森岡だが、やはりこの結果を残せたのは森岡なしでは成し遂げられなかっただろう。
初戦から決勝までの6試合で、札幌山の手の頼れるキャプテンは平均27.5得点を記録。アシスト、リバウンド、リーダーシップでもチームをけん引し続け、高校生活最後の大舞台を駆け抜けた。それでも森岡は言う。「課題の多く残る大会でした。でも、課題が残ったということは次の成長に繋がると思うので、その課題をクリアしていけるように、次の舞台でもどんどん成長できるように頑張ります」
上島コーチは卒業生の町田瑠唯(富士通レッドウェーブ)の高校時代と、174センチでポイントガードを務める現在の森岡をこう比較する。
「視野の広さは変わらないですし、得点力に関しては町田より森岡の方が数段上だと思っています。今の彼女に求められるのは、やっぱりスピードかなと感じていますけど、身長もありますし、何が足りないかは自分で考えるべきです」
指揮官の言葉に対し、森岡も札幌山の手の大先輩を例に挙げて今後を見据えた。
「この身長でポイントガードができることが自分の武器だと思うので、 町田選手みたいに速い展開に持っていくオフェンスや、味方にシュートを打たせてあげるアシストをしていきたいです。この経験を無駄にしたくないので、みんなで頑張ってきたこの成果をしっかり自分の成長に繋げて、今日みたいに楽しく迎えたいなと思います」
休み間もなく向かう先は、Wリーグの舞台。日立ハイテク クーガーズのアーリーエントリー選手としてさらなる飛躍を目指す。まだ出場できるかわからないが、日立ハイテクは1月21日、22日に北海きたえーるでの試合も控えている。
年が明けた1月、2022年のウインターカップを沸かせた世代屈指のポイントガードが、地元のファンへ笑顔を届ける姿を楽しみにしている。