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わずか2点リードの残り7秒、大阪薫英女学院高校(大阪府)の背番号4・木本桜子(3年)が1on1からジャンプシュートを沈めた。
7月28日の「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」女子準々決勝、大阪薫英女学院は聖和学園高校(宮城県)から逆転勝ちを収め、4大会連続となるベスト4入りを決めた。
決定打を放った木本と瓜二つの妹がいる。双子の桃子だ。安藤香織コーチはチームの中心を担う姉妹についてこう話す。
「2人ともよく似ている感じですけど、お姉ちゃんのほうは入学当時からしっかりしていて、今ではリーダーとしてチームを引っ張ってくれています。妹は、はじめはそんなに引っ張るようなタイプではないのかなと思っていたんですけど、今年に入ってお姉ちゃんと同じくらいチームに対しても発言するようになりましたね」
プレーでは、桜子が主に司令塔としてコントロール役を担う。一方の桃子は、得意のドライブを軸にアウトサイドからもシュートを射抜いてチームを勢いづけ、「ディフェンスも得意」と本人が言うように、相手エースをマークする守備のキーマンでもある。
聖和学園戦の桃子は、51-50でスタートした最終クォーターに3ポイントシュートで先制点をマーク。次の攻撃でも再び長距離砲を沈めてリードを広げた。第3クォーターまで7点だったが、終わってみれば計17得点を挙げる活躍で存在感を示した。
「あの時は小さく守られていたので、ドライブだけじゃなくて、外からもしっかりシュートを狙っていこうと思って、積極的に3ポイントを打ちました」
自身の連続3ポイントの場面を振り返った桃子だが、精彩を欠いたプレーもあった。第4クォーター終盤には4つ目のファウルと取られ、残り1分弱にはボール運びの際にミスを犯してしまった。
「自分たちの流れの時に、自分ミスで相手に流れを作られてしまいました。そこは改善していきたいと思います」と反省した桃子。しかし、第1クォーターで12-21とされた劣勢からの逆転勝ちについては、「チームディフェンスを徹底できたのが良かったと思います」と表情を緩めた。
29日の準決勝は、左下のブロックを勝ち抜いてきた桜花学園高校(愛知県)と対戦する。192センチの福王伶奈(3年)を筆頭に、自分たちよりも高さのある相手だ。
「まずは中にボールを入れられる前にプレッシャーをかけて、インサイドでは全員で体を張る続けることを徹底したいです」と桃子は意気込む。
決勝進出へは、強みのディフェンス力が問われる。木本姉妹が激しい守備で相手ガード陣を苦しめ、桜花学園の歯車を狂わすことができるか注目だ。
文=小沼克年